本記事では、腸が健康と美容に与える影響や消化管のしくみ、腸を整える方法、腸内細菌や食物繊維による整腸作用などをお伝えします。
健康と美容を左右する「腸」
誰しも下痢や便秘の経験はあると思いますが、これらの症状が長引く場合は注意が必要です。
なぜなら、下痢や便秘は腸内環境の異常を知らせる「腸からのSOS信号」だからです。
「腸の乱れ」を放っておくと、さまざまな病気や体の不調を招くおそれがあります。
腸が乱れているときは、腸内細菌の構成が異常な状態となっており、このような状態を「ディスバイオーシス」といいます。
ディスバイオーシスは、炎症性腸疾患などに深く関与していますが、そのほかの関連するものとして、がんや糖尿病、うつ病、認知症、アレルギー、喘息、自閉症、ADHDなどがあります。
精神疾患やアレルギー疾患など、一見して腸とは関係無さそうな体の不調も、実は「腸の乱れ」が原因だった、ということがあるのです。
関与する疾患に「精神疾患」が含まれていることからもわかるように、腸の不調は、体だけではなくメンタルの健康にも影響してきます。
「セロトニン」という神経伝達物質は、メンタルを安定させることで知られていますが、この物質の前駆体の「トリプトファン」は、腸内細菌によってコントロールされています。
このことが、腸内環境の良し悪しがメンタルの健康を左右する一因だと考えられます。
また、「腸の乱れ」は、便秘や肌荒れ、肥満などを招くことがあるため、腸の健康を保つことは、美容の面においても非常に重要となります。
以上のことからも、腸を元気にすることは「健康と美容の基本」といえます。
消化管の種類とはたらき
腸は「消化管」のひとつで、「小腸」と「大腸」とに分けられます。
「消化管」は、口腔から肛門までの「食物の通り道」のことをいいます。
消化管を「食物が通る順」に並べると以下のようになります。
口腔→食道→胃→小腸→大腸→肛門
これらの臓器は、肝臓や膵臓、胆のうなどと密に連携して働いています。
「元気な腸でいること」の重要性を理解するためにも、ざっくりとでも「腸のはたらき」を理解しておくことをおすすめします。
以下では、腸を含む「消化管」のはたらきを「摂食→消化→吸収→排泄」の流れに沿って解説していきます。
腸より上にある消化管のはたらき
食物は、「口腔」で咀嚼によって砕かれ、唾液と混ざり合って「食道」に送られます。
食道に送られた食物は、数秒で「胃」に送られます。
胃に送られた食物は、以下の順序で処理されます。
- 食物が噴門(胃の入り口)から胃に入る
- 胃壁から胃液(胃酸)が分泌される
- ぜん動運動によって、食物と胃液が混ぜ合わされる
- 消化物がドロドロの粥状になったら、幽門(胃の出口)が開き、小腸に送られる
「胃」の主なはたらきは、口腔で噛み砕かれた食物をドロドロの状態にすることです。
小腸のはたらき
小腸は、「十二指腸」と「空腸」と「回腸」の3つに分けられます。
「十二指腸」は、胃から送られてきた消化物が最初に到達する部位です。
この臓器では、肝臓でつくられ、胆のうに蓄えられる「胆汁」と、膵臓で分泌される「すい液」を消化物に混ぜ合わせ、さらに消化します。
「胆汁」は脂質を分解し、「すい液」は三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)の分解に関与しています。
「空腸」と「回腸」は、胃や十二指腸で分解された消化物を「腸液」によって最終段階まで分解し、できた栄養素を吸収します。
また、小腸には「腸管免疫」という免疫システムが備わっており、呼吸や食事によって体内に侵入した異物(細菌やウイルス、寄生虫、化学物質など)を排除するはたらきがあります。
くわえて、「経口免疫寛容」とよばれる食物アレルギーを防ぐ仕組みも備わっています。
「小腸」の主なはたらきは、消化物を最終段階まで分解して、栄養素を吸収することと、体内に侵入してきた異物を排除することです。
大腸のはたらき
大腸は、「盲腸」「結腸」「直腸」の3つに分けられます。
右下腹部にある「盲腸」には、「虫垂」といわれる細長い袋状の臓器がついており、ここが何らかの原因で炎症をきたすと虫垂炎(俗にいう「盲腸」)を発症します。
ちなみに、長い間、用をなさない臓器と考えられてきた「虫垂」には、「免疫細胞をつくるはたらき(腸内細菌のバランスを維持するはたらき)」が認められており、その存在意義が見直されてきています。
「結腸」は上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分類されます。
この臓器では、小腸から送られてきた消化物の水分やミネラルが吸収されます。
その結果、ドロドロだった消化物は硬くなり、便となって直腸へ送られます。
「直腸」は、直腸S状部・上部直腸・下部直腸の3つに分類されます。
この臓器は肛門の直前に位置し、ここに便がたまると大脳に指令がいき、便意をもよおすようになります。
そして、大脳から「排便」の指示が出されると、肛門の筋肉(内・外肛門括約筋)がゆるみ、それと同時に腹圧を高める(いきむ)ことで肛門が開き、排便に至ります。
ちなみに、便の硬さは、「便が大腸を通過するのにかかった時間」で変わります。
早く通過すれば柔らかくなり、ゆっくり通過すれば、便から多くの水分が吸収されて固くなります。
「便の状態」は腸内環境および健康のバロメーターです。
健康的な便には以下のような特徴があります。
- バナナ状
- なめらかで、適度なやわらかさがある
- 黄土色〜茶色
- バナナ1〜2本分程度の量
- トイレの水に浮く
- においが少ない
便の硬さや太さ、におい、色などに異変が現れた場合は、病気や消化管の出血、食中毒などの可能性も考えられるため、早めに内科や胃腸内科、消化器内科、肛門科などを受診するようにしましょう。
「大腸」の主なはたらきは、小腸から送られてきた消化物から水分やミネラルを吸収して固め、便をつくることです。
腸(小腸と大腸)のはたらきは、以下の3つに大別することができます。
- 消化・吸収
- 免疫作用
- 便の形成
腸は生命維持には欠かせない消化・吸収にくわえ、細菌やウイルスなどの外敵と戦う「門番」のようなはたらきもする重要な臓器です。
以下で、「元気な腸」を維持するのに必要なことをみていきましょう。
腸を整える方法
腸を整えるには、まず「腸に悪いこと」を知る必要があります。
生活から「腸に悪いこと」を排除したうえで、「腸に良いこと」を適切かつ継続的に実践していきましょう。
腸に悪いこと
「腸に悪影響を及ぼす可能性のあること」には、以下のようなものがあります。
- 肉料理が中心の食生活
- 過剰な糖質・たんぱく質・脂質、アルコール、グルテン、酸化した食品、加工食品、人工甘味料、遺伝子組み換え食品などの摂取
- 暴飲暴食
- 睡眠不足
- 運動不足
- 過剰なストレス
- 喫煙
- 病原菌などに汚染された食物の摂取
- 不要な抗生物質の投与
- ピルの服用
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の服用
- 環境化学物質や農薬(殺虫剤など)、塩素との接触
これらは、腸内環境だけではなく、体全体へ悪影響を与えます。
心当たりのある場合は、生活習慣を見直すことをおすすめします。
腸に良いこと
次に、「腸に良い影響があると考えられるもの」をみていきましょう。
- 野菜料理が中心の食生活
- 発酵食品、果物、豆類、いも類、穀類、きのこ類、甲殻類、海藻類などをまんべんなく食べる(プロバイオティクスとプレバイオティクスをとる)
- 赤い肉(牛・豚・羊など)や加工肉(ハム・ソーセージなど)は食べない
- 牛肉や豚肉、バター、ファストフード、加工食品、コーン油、大豆油、サラダ油などに多く含まれる「オメガ6脂肪酸」の摂取量を減らす
- サバやイワシなどの青魚、イクラなどの魚卵、クルミなどのナッツ類、アマニ油、えごま油などに多く含まれる「オメガ3脂肪酸」を積極的に摂取する
- 牛乳などの乳製品はとらない
- 青汁を飲む
- 食事の際は、よく噛んでゆっくり食べ、腹八分目を心がける
- 食事の間隔を十分にあける
- 食事の前後に歯を磨く
- 食事の時間を固定する
- 排便の時間を固定するように努める(大蠕動が起きやすい朝食後が理想)
- こまめに水分補給をする
- 水道水は飲まない(飲む場合は、濾過して飲む)
- しっかりと睡眠時間を確保する(7〜7.5時間程度)
- 就寝時間と起床時間を固定する(早寝早起きをする)
- 朝日を浴びる
- 軽めの運動をする
- ストレスを発散する
- おなかを温める
これらのことを継続的に実践することで、腸内環境の改善が期待できます。
マイクロバイオームと腸内フローラ
ヒトの体の各部位には、さまざまな微生物(細菌など)を存在しています。
これらの微生物は、私たちの体にとって、良いはたらきもすれば、ときに悪いはたらきもします。
マイクロバイオーム
ヒトの全身に住み着く多種多様な微生物をまとめて、「マイクロバイオーム(微生物叢、細菌叢)」といいます。
マイクロバイオームは、さまざまな病気と関連していることがわかっており、健康な体を維持するためには、マイクロバイオームを整える必要があるといえます。
腸内フローラ
腸内に存在する細菌をまとめて「腸内フローラ(腸内細菌叢)」といいます。
腸内細菌は、以下の表のように、善玉菌と悪玉菌、
善玉菌 | 悪玉菌 | 日和見菌 |
---|---|---|
ビフィズス菌 乳酸菌 腸球菌 | ブドウ菌 ウェルシュ菌 大腸菌(有毒株) | バクテロイデス 大腸菌(無毒株) 連鎖球菌 |
善玉菌は、体にとって良いはたらきをし、悪玉菌は悪いはたらきをします。
残りの日和見菌の数がもっとも多く、この細菌は「腸内に多く存在する細菌の味方をする」という性質があります。
腸内に善玉菌が多ければ善玉菌の味方をし、悪玉菌が多ければ悪玉菌の味方をするのです。
そのため、「悪玉菌に対して善玉菌が多い状態」をつくることが、健康を維持するうえで重要となってくるのです。
ちなみに、腸内細菌の理想的な比率は、「善玉菌:2、悪玉菌:1、日和見菌:7」といわれています。
善玉菌と悪玉菌の優劣を決める最大の要因は「食事の内容」です。
以下で、善玉菌を増やすために摂取すべきものをみていきましょう。
腸を整える善玉菌と栄養素
この項では、摂取することで「腸が元気になるもの」をみていきます。
プロバイオティクス
腸内環境に深く関わるものに、プロバイオティクスとプレバイオティクスがあります。
プロバイオティクスは、腸内環境の改善に役立つ「微生物(生菌)」を指します。
いわゆる「善玉菌」のことで、乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌、麹菌などが有名です。
これらは、キムチやヨーグルト、納豆、味噌といった発酵食品に多く含まれ、サプリメントとしても販売されています。
プロバイオティクスの主なはたらきには、以下のようなものがあります。
- 腸内環境の改善
- 免疫機能の改善
- 炎症の抑制
数々の賞を受賞しているアメリカの神経科医、デイビッド・パールマター博士は、著書『「腸の力」であなたは変わる』のなかで、以下5種のプロバイオティクスを紹介しています。
- ラクトバチルス・プランタラム
- ラクトバチルス・アシドフィルス(アシドフィルス菌)
- ラクトバチルス・ブレビス
- ビフィドバクテリウム・ラクティス(B・アニマリス)
- ビフィドバクテリウム・ロングム
プロバイオティクスのサプリメントを選ぶ際は、上記のもののなかから選ぶとよいかもしれません。
プロバイオティクスは、塩素などの化学物質によって殺菌されてしまうため、水道水で摂取する場合は濾過して飲むようにしてください。
また、健康上の問題がある方は、医師に相談したうえで、プロバイオティクスの摂取を検討してください。
プレバイオティクス
一方の、プレバイオティクスは、前述したプロバイオティクス(善玉菌)のエサとなる「食品成分」を指します。
プレバイオティクスの種類は、主に以下のようなものがあります。
名称 | 種類 | 多く含まれる食べもの |
---|---|---|
オリゴ糖 | ガラクトオリゴ糖 フラクトオリゴ糖 大豆オリゴ糖 乳果オリゴ糖 キシロオリゴ糖 イソマルトオリゴ糖 てんさいオリゴ糖 ラフィノース ラクチュロース コーヒー豆マンノオリゴ糖 グルコン酸 | 大豆 バナナ たまねぎ ねぎ ニンニク ごぼう アスパラガス ブロッコリー カリフラワー アボカド はちみつ |
水溶性食物繊維 | 難消化性デキストリン ペクチン グルコマンナン ポリデキストロース イヌリン アルギン酸 ガム質 | キウイ キンカン レモン 山芋 オクラ わかめ 昆布 ひじき |
不溶性食物繊維 | セルロース ヘミセルロース リグニン キチン | 大麦 ごぼう サツマイモ ジャガイモ ニンジン 小松菜 ほうれん草 きくらげ |
レジスタントスターチ (難消化性でんぷん) | RS1 RS2 RS3 RS4 | 白米 大麦 全粒粉 トウモロコシ サツマイモ ジャガイモ インゲン豆 グリーンバナナ 加工食品 |
プレバイオティクスは、野菜、果物、豆類、いも類、穀類、きのこ類、甲殻類、海藻類などに多く含まれます。
おすすめの食品は「のり」です。
とくに「味付けのり」は、お手軽に食べられるので続けやすいと思います(大森屋 N味付卓上100は、コストパフォーマンスに優れているのでおすすめです)。
そのため、栄養の偏りを無くすためにも、さまざまな種類の食品から栄養をとるようにするとよいでしょう。
プレバイオティクスの主なはたらきには、以下のようなものがあります。
- 善玉菌の増殖の促進
- 悪玉菌の増殖の抑制
- 便通改善
- 炎症の抑制
- ミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄など)の吸収促進
- 食後の血糖値の上昇抑制
- 食後の血中中性脂肪の上昇抑制
- 食欲の抑制
- 肌荒れ予防
肥満や肌荒れの予防が期待できるプレバイオティクスは、健康のみならず、美容においても重要な成分だといえます。
注意点としては、「SIBO(小腸内細菌異常増殖症)の人は、プレバイオティクスの摂取を控える必要がある」ということです。
SIBOとは、ある種の腸内常在細菌が過剰に増加し、下痢などの症状を引き起こす病気です。
プレバイオティクスは、腸内細菌のエサとなることから、SIBOの症状を悪化させてしまうおそれがあるのです。
オリゴ糖
善玉菌のエサとなるオリゴ糖には、さまざまな作用があります。
主なはたらきとしては、整腸作用、免疫機能の向上、虫歯予防、肌荒れ予防、ミネラルの吸収促進などがあります。
一度に多量のオリゴ糖をとると、下痢やおなかの張りなどの症状が出ることがあるため、摂取量には注意してください。
食物繊維
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれはたらきが違います。
水溶性食物繊維
水に溶ける「水溶性食物繊維」は、便をやわらかくする性質があります。
また、コレステロールの吸収を抑制する作用や、食後の血糖値の上昇を穏やかにする作用などもあります。
不溶性食物繊維
水に溶けない「不溶性食物繊維」は、便のカサを増やし、大腸のぜん動運動を活発にします。
ただし、便秘症の人が多量の不溶性食物繊維を摂取した場合、便秘の症状を悪化させてしまう可能性があります。
そのため、便秘症の人は、不溶性食物繊維の摂取はほどほどにし、水溶性食物繊維を多めにとることをおすすめします。
上記2種の食物繊維は、どちらも善玉菌のエサとなりますが、「水溶性食物繊維」のほうが善玉菌の増殖作用が高いとされています。
レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)
レジスタントスターチは、穀類やいも類などの炭水化物に多く含まれる「消化・吸収されにくいでんぷん」を指します。
この成分は、前述した2種の食物繊維(水溶性と不溶性)のはたらきを兼ね備えています。
主なはたらきとしては、腸内環境の改善や、便通の改善、血中のコレステロールや中性脂肪の減少作用、血糖値上昇の抑制などがあります。
この成分の特性として、「冷めると増える」ということが挙げられます。
このことから、穀類やいも類は、冷めたご飯やポテトサラダといった、冷たい食品から摂取するのが理想といえます。
注意点としては、穀類やいも類に含まれる糖質は血糖値を上昇させるため、とりすぎれば肥満や糖尿病の原因となることが挙げられます。
かといって、無理なダイエットを行って糖質が不足すると、エネルギー不足による疲労感や筋肉量の減少、脳のはたらきの低下などを招きます。
糖質は「とりすぎ」も「不足」もよくありません。
そのため、健康を損なわずに、糖質およびレジスタントスターチの有効な作用を得るためには、「ほどほど(少なめ)の炭水化物をとる」という心がけが必要になります。
そこでおすすめなのが、「朝食または昼食の1回だけ主食(炭水化物)を食べる」ということです。
この食事法は、「スタンダード糖質制限」とよばれるもので、1日1回だけ主食を食べるので、程よい量の糖質を摂取することができます。
ただし、その1回で多量の主食を食べてしまっては元も子もないので、あくまでも、「主食は少なめ」を心がけるようにしてください。
主食の内容としては、白米などは避け、精白されていない大麦や玄米などの「低GI食品」を食べるとよいでしょう。
また、一般的に、糖尿病やメタボリックシンドロームの患者や、肥満の解消を目指す人には、3食とも主食を制限する「スーパー糖質制限」が推奨されています。
そのため、これらに該当する方は、かかりつけ医の指示にしたがって、適切な食事療法を行うようにしてください。
シンバイオティクス
前述したプロバイオティクスとプレバイオティクスのふたつを組み合わせたものを「シンバイオティクス」といいます。
シンバイオティクスは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取することで相乗効果を生み出し、それぞれの体への有効な作用を高めようとするものです。
これは、医療現場でも応用され、さまざまな効果が示されています。
よって、より高い整腸作用を得るためには、プロバイオティクスとプレバイオティクスを単体ずつ摂取するのではなく、食事やサプリメントで同時に摂取することが望ましいといえるでしょう。
そのほかの腸に良い栄養素
プレバイオティクス(オリゴ糖や食物繊維)以外の「腸の健康に役立つ栄養素」には、以下のようなものがあります。
- DHA
- ターメリック
- ココナッツオイル
- アルファリポ酸
- ビタミンD
これまで紹介してきたプロバイオティクス、プレバイオティクス、そのほかの栄養素は、どれも重要なものばかりですが、これらを摂取するだけでは意味がありません。
前述した「腸を整える方法」を行いつつ、これらの栄養素をとるようにしてください。
消化・吸収を担うばかりではなく、「人体最大の免疫器官」でもある腸は、心臓や脳、肺などと同じくらい重要な臓器だといえます。 幸いなことに、この臓器は心臓や脳などと比べて、健康状態を管理しやすい臓器でもあります。 規則正しい生活を送り、善玉菌を増やす食事を心がける。 そうするだけでも、健康な腸を維持できる可能性がグンと高まります。 しかし、腸にやさしい生活を送っていても、さまざまな要因によって腸内環境が乱れることは十分に考えられます。 「腸の異常サイン」には、以下のようなものがあります。
- 便の硬さ・太さ・色・においなどの異変
- 便通異常(下痢・便秘)
- 腹痛
- 腹部の張りや不快感
- 胸焼け
- 嘔吐
- 吐き気
- 腹部のけいれん
- おならとげっぷがよく出る
- おなかにしこりを感じる
- 残便感
- 貧血
- 体重減少
- 規則正しい生活を送りつつ、食事の内容に気をつけて、腸の病気や機能低下を予防する
- 日頃から、おなかの調子や便の状態をチェックして、病気の早期発見に努める
参考
- David Perlmutter;Kristin Loberg.『「腸の力」であなたは変わる: 一生病気にならない、脳と体が強くなる食事法』.白澤 卓二訳.三笠書房,2016.
- 江田 証.『腸のトリセツ』.学研プラス,2020.