本記事では、精神的につらいときの思考法やとるべき行動、メンタルと脳内物質の関係などをお伝えします。
誰もが直面する「人生の谷」
「人生山あり谷あり」という言葉があるように、何の弊害もなく、ずっと順風満帆で人生を終える人は、おそらくいないでしょう。
健康上の問題や人間関係、子育て、経済的な問題、災害、事故、犯罪被害などに起因した種々の悩み事によって、私たちのメンタルは大きく揺さぶられ、ときにはうつ病やPTSDといった精神疾患にかかってしまうこともあります。
このような「人生の谷」ともいえるような時期に、私たちはどのように考え、どのような行動をとればよいのでしょうか。
精神的につらいときの大まかな対処法としては、以下の3ステップが考えられます。
- 環境を整える
- 思考を修正する
- 生活習慣と行動を見直す
メンタルがつらいときは、環境、思考、生活習慣、行動の4つを適切に管理することが重要となります。
以下で詳しくみていきましょう。
環境づくり
さまざまな要因によってメンタルが限界を迎えたとき、第一に心がけるべきことは「無理をしない(安静にする)」ということです。
壊れかけたメンタルで無理をするということは、心身への負担が大きいため、さらなる症状の悪化を招くおそれがあります。
大きなストレスは、うつ病などの精神疾患にくわえ、循環器疾患や消化器疾患、呼吸器疾患など、実に多くの病気に関与しています。
これらの病気を防ぐためにも、「安静」を心がけてください。
ここでいう「安静」とは、「ずっとベッドで横になる」という意味ではなく、「心の平穏が保たれる環境に身を置く」ということです。
メンタルの不調の原因が、職場や学校での心理・社会的なストレスの場合は、思い切って一定期間休むことをおすすめします。
いうまでもなく、仕事や学業は大事です。
しかし、あなたの心の健康の方がはるかに大事だということを忘れないでください。
また、この段階で病院へ行き、医師に相談するのがベストです。
メンタルのことで通院するのは、経験がない人にとっては、ややハードルが高く感じるかもしれません。
そこで、病院へ行くことのメリット(必要性)を考えていきましょう。
早期に病院へ行くことのメリットには、以下のようなものがあります。
- 治療を受けることができる
- 適切なアドバイスがもらえる
- 心強い相談相手ができる
- 早期の治療により、症状の悪化(うつ病などへの進行)を阻止できる
- 必要であれば、入院することができる(入院は、職場や学校、家庭における心理的・社会的なストレスから強制的に離れる手段になる)
少し勇気がいるのは最初だけで、一度行ってしまえばなんてことはありません。
診療科は、精神科や精神神経科、心療内科、メンタルヘルス科になります。
また、最初に近所の病院(内科など)へ行き、大きな病院(大学病院など)へ紹介状を書いてもらうというのも有効です。
「つらいとき」を抜け出す最初の一歩は、「安心できる環境」をつくることです。
つらいときの思考法
つらいことが起きたら真正面から受け止め、即座に受け入れて前を向く、というのがベストです。
しかし、それは理想論であり、大抵の人は、程度の差こそあれメンタルの調子が悪くなります。
メンタルを回復させるうえで、「焦り」は禁物です。
真面目な人ほど、「早く治さなければ」と思いがちですが、焦ったところでメンタルがよくなることはありません。
以下では、「つらいこと」を受け入れるための、「現実的かつスムーズなプロセス」を確認した後、その過程で必要となる「思考法」もみていきたいと思います。
無理に受け入れようとはせず、まずは慣れることを目標にする
まずは、つらい状況に「慣れる」ということを目標にしましょう。
慣れるためには、ある程度の「時間の経過」が必要です。
よって、つらいことを受け入れるための大まかなプロセスは以下のようになります。
時間が経過する→慣れる→受け入れる
「受け入れる」ということは、「慣れ」の先にあるものです。
無理にいきなり受け入れようとはせず、まずは、「少し慣れてきた」という状態を目指すことから始めましょう。
「寝るまで耐える」という意識をもつ
前述したとおり、つらいことに慣れるためには、「時間の経過」が必要となります。
初めのうちは、何をしていても「つらいこと」が頭のなかを占領し、「起きているだけでもつらい」「何も手につかない」という状態が続くかと思います。
そのような時期は無理に動かず、「寝ること」を心のよりどころとして、「寝るまで耐える」という意識をもってください。
寝ている間は、心が穏やかな状態となるうえ、思考の整理も行われます。
そのため、睡眠は体だけではなく、メンタルも回復させてくれるといえます。
7〜8時間寝ると考えると、少なくとも1日の3分の1は心穏やかに過ごせていることになります。
24時間つらいわけではないという事実を頭の片隅に置いておくだけでも、多少は気が楽になると思います。
日中に「つらいこと」が頭のなかをグルグルと回り、気が狂いそうになっていたとしても、「睡眠」というインターバル(休憩時間)は必ずきます。
「つらい→睡眠でリセット」を何度も繰り返すことによって、心のつらさがグラデーションのように薄くなっていきます。
注意点としては、いくら睡眠がメンタルの安定に不可欠とはいっても、睡眠時間をむやみに増やすことは避けてください。
寝過ぎは入眠を妨げ、不眠症や過眠症といった「睡眠障害」の原因となるほか、糖尿病や心臓病、認知症などの大きな病気の原因にもなりえます。
おおよその睡眠時間の目安は、7〜7.5時間程度です。
長くても8時間までにとどめておきましょう。
「規則正しい生活」を心がける
「規則正しい生活」は心身を整え、「不規則な生活」は心身の病気や不調を招きます。
そのため、「つらいとき」のみならず、常に心がけるべきことは、「規則正しい生活を送る」ということです。
とはいえ、いくら規則正しくても、「制限だらけの生活」ではメンタルが疲弊してしまいます。
そのため、まずは、以下のようなことを意識することから始めてみてください。
- 野菜を中心とした栄養バランスのとれた食事を心がけ、過食や飲酒、喫煙は避ける
- 日中は「好きなこと」をする
- できれば、「30分以内の軽めの運動」をする時間を設ける
- できれば、外へ出かける
- 就寝時間と起床時間を固定し、早寝早起きを心がける
メンタルを崩したことを悲観せず、「規則正しい生活を身に付ける良い機会」ととらえてみましょう。
無理をしない
メンタルを悪化させないために必要となるのが「無理をしない」ということです。
具体的には、以下のようなことを指します。
- 無理にメンタルを元の状態に戻そうとしない
- 無理に通勤(通学)しない
- 無理に人とコミュニケーションをとらない
- 無理に笑わない
- 何事も無理に頑張らない
「つらいときに無理して笑う」ということは、一見すると良いことのようであり、「そうすべき」との意見もありますが、まったくの逆効果です。
なぜなら、無理して笑うことにより、「無理しないと笑えない状況にいる」ということを再確認させられ、さらに落ち込む原因となるからです。
無理して笑うのではなく、少しずつ自然と笑えるようにする、ということを第一に考えましょう。
「寝るまで耐える」という意識を徐々に減らしていく
前述したように、「何をしていてもつらい」という時期には、「寝るまで耐える」という意識をもち、無理に行動しないことが重要となります。
時間が経過し、ある程度メンタルが落ち着いてきたころに行っていただきたいのが、この「寝るまで耐える」という意識を徐々に減らしていくことです。
具体的な方法としては、「心を鎮める行動(後述)」をとるということです。
そうすることで、メンタルの消耗が抑えられるようになり、「寝るまで耐える」という意識が必要なくなっていきます。
その結果として、スムーズに時間が流れるようになり、より早く「つらいことに慣れた状態」になることができます。
ここまでをまとめると、以下のようになります。
- 「つらいこと」を受け入れるためには、「時間が経過する→慣れる→受け入れる」というプロセスが必要になる
- 何をしていてもつらい時期は、「寝るまで耐える」という意識をもちながら規則正しい生活を送る(無理に行動しない)
- メンタルが少し落ち着いてきたころに「心を鎮める行動」をとる
心を鎮める行動
メンタルがある程度回復し、動けるようになってきたら、以下のようなことを積極的に行ってください。
これらを行うことで、メンタルの安定がより強固なものとなり、「慣れた状態(受け入れた状態)」に近づくことができます。
運動
優先的に取り組んでいただきたいのが「運動」です。
運動には、体への健康効果のほか、メンタルを改善させる効果もあります。
一説によると、週に2時間30分以上の有酸素運動をすると、薬物療法と同等もしくはそれ以上のメンタル改善の効果があるとされています。
おすすめの運動は「ウォーキング(散歩)」です。
具体的には以下のような内容です。
- 朝日を浴びながら、外を歩く
- できれば午前10時までに行う
- 運動時間は30分以内を目安にする(30分以上の運動は、「セロトニン神経の疲れ」を招く可能性があり、逆効果になり得る)
運動には、精神疾患の原因となる「ストレスホルモン(ストレス刺激によって分泌される物質)」を低下させる作用があるとされています。
また、「リズム運動」とよばれるウォーキングや咀嚼、呼吸などには、「セロトニン」という脳内物質の分泌を促す効果があります。
この物質は精神を安定させる働きがあるため、メンタルの改善には必須といえるでしょう。
また、日光(紫外線)を浴びることでもセロトニンは分泌されるため、「日光を浴びながらのウォーキング」は、メンタルの改善に最適といえます。
ちなみに、一定量の紫外線は雲を通り抜けるため、曇りの日や雨の日のウォーキングもある程度は効果があるといえます。
夕方以降には、朝から昼すぎに分泌されたセロトニンを原料にして、「メラトニン」というホルモンがつくられます。
この物質は眠気を誘う作用があり、「寝つきのよさ」や「睡眠の質」を決定づける重要な存在です。
適度な運動は、心地よい疲労感をもたらすうえに、セロトニン(メラトニンの原料)の分泌を促すため、「睡眠の質の向上」に役立つといえます。
ちなみに、糖尿病の原因となる「食後の血糖値の急上昇(血糖値スパイク)」を抑えるためには、「食後の運動」が効果的なため、糖尿病などの生活習慣病の予防を兼ねる場合は、朝食後(午前10時まで)にウォーキングをするのが望ましいでしょう。
親しい人や動物とのふれあい
人との会話が苦にならない場合は、親しい人(家族や恋人、友人など)とコミュニケーションをとることをおすすめします。
親しい人と楽しく会話をすると、前述した「セロトニン」のほか、「オキシトシン」というホルモンも分泌されます。
オキシトシンは、ストレスを緩和する作用があるため、セロトニンと同様に、メンタルの改善に必要な脳内物質だといえます。
親しい人と楽しく会話をするだけでもよいのですが、悩み事(つらさの原因)を相談するのもおすすめです。
悩みを打ち明けることには、以下のようなメリットがあります。
- 有益なアドバイスを得られる可能性がある
- 悩み事を共有する相手ができ、孤独感が軽減される
- 自分の気持ちを言葉にすることで、新たな気づきを得られる可能性がある
自分一人で抱え込んでいた「大きな悩み」を人に相談するというのは、意外と勇気のいることです。
しかし、相談することで、悩みを解決するためのヒントが得られたり、心が軽くなったりすることもあるため、思い切って相談してみる価値は十分にあると思います。
また、動物とのふれあいでも脳内物質は分泌されるため、ペットと遊んだり、一緒にお散歩したりすることもおすすめです。
ペットを飼っていない人は、「猫(犬)カフェ」や「動物とふれあえる動物園」などを利用してみるとよいかもしれません。
没頭できること
メンタルを崩しているときにもっともつらいのは、「つらいこと(メンタルを崩している原因)」を思い出しているときだと思います。
そこで、「つらいこと」を思い出してしまう頻度を減らすために、「何かに没頭する」ということをおすすめします。
何かに没頭しているときというのは、雑念が生まれにくいうえ、体感的な時間の経過が早いこともあり、メンタルの安定に適した状態だといえます。
続けている趣味があるのなら、そのことを心の底から楽しんでみてください。
趣味がないのなら、これを機に、生きがいとなる新たな趣味を見つけてみるとよいかもしれません。
とくにおすすめなのが、リフレッシュ効果が高く、脳内物質の分泌も期待できる「アウトドアな趣味」です。
たとえば、ウォーキングやサイクリング、登山、バイク、キャンプ、BBQ、魚釣り、乗馬、ロッククライミング、サーフィン、ウィンタースポーツ、カメラ、ガーデニングなどです。
しかし、これらは、外があまり好きではない人にとっては、「ただ疲れるだけの行為」となるおそれがあります。
そこで、インドア派の方におすすめなのが「読書」と「音楽」です。
読書
読書には、ストレスを軽減させる効果があるとされています。
効果的な読み方としては、「ゆっくりと読む」ということです。
「速読」や「飛ばし読み」をするのではなくて、じっくりと本の内容と向き合い、「没頭すること」を意識してみてください。
そうすることで、最大限のストレス解消効果が得られます。
一般的に、ストレス解消には「フィクション系」の本が適しているとされていますが、「読みたい本(楽しく読めそうな本)」なら何でもいいと思います。
まったく興味のないフィクション系の本をいやいや読むことはストレスでしかありません。
心ゆくまで、読みたい本をゆっくりと読む。
このことを心がけてみてください。
音楽と接する
音楽には、自律神経を整える作用があります。
さまざまな音に含まれる「
この「1/fゆらぎ」は、雨音や波の音、小川のせせらぎ音、風が枝葉を揺らす音、小鳥のさえずりといった「自然界の音」に含まれているほか、モーツァルトやバッハなどの「クラシック音楽」にも多く含まれています。
「1/fゆらぎ」の有無にかかわらず、自分が好きなアーティストの楽曲を聴くことでもメンタルの安定が期待できます。
なぜなら、音楽を聴くことでも、前述した「セロトニン」などの脳内物質が分泌されるからです。
また、ヘヴィメタルやロックなどの「激しい音楽」には、不安や欲求不満の解消、ストレス発散などの効果が期待できるため、苦手でなければ、聴いてみるとよいかもしれません。
音楽鑑賞以外にも、「歌うこと」や「楽器の演奏」にもメンタルを安定させる効果が期待できます。
これらは、リフレッシュ効果にくわえ、達成感や自己成長感といった、「没頭するために必要な要素」を兼ね備えているため、雑念を排除するうえでも有効といえます。
そのため、「○○を究めてやる!」くらいの意気込みで、「歌唱」や「楽器演奏」に打ち込むのもよいでしょう。
自律神経を整えるうえに、セロトニンなどの脳内物質を分泌させ、不安解消やストレス発散などの効果が期待できる「音楽」は、メンタルの回復にうってつけの存在といえます。
自然を感じる
草木や花などの「自然」を感じることには、ストレスを軽減させる効果があるとされています。
自然を感じる方法としておすすめのが「森林浴」です。
森林に存在する以下の2つの物質が、心身に良い影響を与えると考えられます。
- マイナスイオン
- フィトンチッド
「マイナスイオン」は、大気中を漂うマイナスの電気を帯びた物質を指します。
この物質は、小川や滝などの周辺に多く存在し、リラックス効果があるとされています。
「フィトンチッド」は、樹木などが発する香り成分(揮発性物質)のことです。
この物質は、自律神経を整える作用があるため、リフレッシュ効果やリラックス効果が期待できます。
また、自然の「緑」は、目に優しい色とされているため、パソコンやスマートフォンの使用で疲れた目を癒やす効果も期待できます。
これらにくわえて、前述した「1/fゆらぎ(自然界の音)」を感じることができるのも、森林浴の大きなメリットといえるでしょう。
近場に森林がないという方には、以下の3つの方法をおすすめします。
- 近場の樹木があるスポット(公園など)に行く
- 部屋に観葉植物を置く
- 自然風景や花などの写真を観賞する
公園などの「樹木が多めのスポット」に足を運ぶだけでも、ある程度のストレス軽減効果が期待できます。
また、部屋に観葉植物を置いたり、自然風景や花などの写真を観たりするだけでも、一定のストレス軽減効果があるとされています。
ただし、これら3つのストレス軽減効果は限定的なため、運動やリフレッシュも兼ねて、自然の多い地域へ旅行に行ってみるのもよいかもしれません。
メンタルと脳内物質
私たちの脳内には、神経伝達物質という科学物質が存在し、さまざまな情報を伝達するためにはたらいています。
この脳内物質は、多くの種類があり、日々の私たちの思考や感情に深く関与しています。
「三大神経伝達物質」とよばれるドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンの3つは、うつ病などの精神疾患と深く関係しているとされ、これらの物質の増減(バランス)が、メンタルの調子に大きな影響を与えています。
脳内物質のバランスを崩す「ストレッサー」
脳内物質のバランスが崩れる一因として、「継続的なストレス」があります。
ストレスの原因となる外的刺激を「ストレッサー」といい、これには以下の3種類があります。
名称 | 原因となるもの |
---|---|
物理的ストレッサー | 暑さや寒さ、光、音など |
科学的ストレッサー | 有害物質や薬物、アルコール、タバコ、食品添加物、酸素欠乏・過剰など |
心理・社会的ストレッサー | 職場や学校、家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなど |
人間ではとくに「心理・社会的ストレッサー」が大きいとされ、このタイプは、メンタルを崩す大きな要因となります。
そのため、いかにしてこのストレッサーと向き合っていくかが、健全なメンタルを保つ上で重要となります。
対処法としては、以下のようなものが考えられます。
- 可能であれば、ストレッサーを解消する
- ストレスに慣れる(受け入れる)
- たまったストレスを発散する
いうまでもなく、ストレッサー(ストレスの原因)がなくなるのかベストですが、それが難しい場合は、本記事でお伝えしているように、「徐々に慣れる(受け入れる)」ということが重要となります。
メンタルの安定には欠かせない脳内物質
次に、メンタルの安定に重要な役割を果たす脳内物質をみていきましょう。
メンタルの安定において重要となる脳内物質は、「セロトニン」と「オキシトシン」です。
これらは「幸せホルモン」とよばれ、幸福感や安心感をもたらします。
前述したように、セロトニンは運動や日光浴、スキンシップなどで増え、オキシトシンは人や動物とふれあうことで増えるとされています。
また、セロトニンは、トリプトファンが含まれる食品を摂取することでも増やすことができます。
トリプトファンが多く含まれる食品には以下のようなものがあります。
- 大豆製品(豆腐・納豆・味噌・しょうゆなど)
- 青魚(マグロやカツオ)
- 穀類(白米や玄米)
- ナッツ類(アーモンドやピーナッツ)
- 鶏肉
- 卵
- バナナ
- 葉物野菜
- かぼちゃの種
セロトニンは脳内のほか、「腸内」でもつくられるため、腸内環境を整えることも、メンタルを安定させるうえで重要となります(関連記事:健康と美容のカギを握る「腸」)。
セロトニンを増やす方法をまとめると以下のようになります。
- 心を鎮める行動をとる(運動や日光浴)
- トリプトファンを多く含む食品を摂取する
- 腸内環境を整える
「メンタルを整える=脳内物質のバランスを整える」ともいえるため、これを機に、「脳内物質のバランスを整える生活」を意識してみてください。
少しずつ希望を見いだす
最後にぜひ行っていただきたいのが、「希望を見いだす」ということです。
どのようなことでもかまいません。
たとえば、以下のようものです。
- 目標
- 楽しいこと(趣味など)
- 癒やしとなるもの(家族や友人など)
「これができるようになりたい」「これをしていると楽しい」「この人ともっと一緒にいたい」といった、「生きるうえでの楽しみ」だと考えてください。
どんなに小さなことでも、「希望」と思えるものがひとつあるだけで、生きる活力が湧いてくると思います。
「受け入れる」とは
これまで、「慣れ」の先に「受け入れた状態」がくるとお伝えしてきました。
それでは、どのような状態になれば「受け入れた」といえるのでしょうか。
おそらくそれは、「慣れ」が常態化し、普通に生活できている状態、なのだと思います。
したがって、「受け入れる=徹底的に慣れた状態」ということができます。
いうまでもなく、「つらいこと」が「解消できること」だとしたら、無理に慣れる必要はなく、解消するために少しずつでも動くべきです。
自分ではどうしようもない悩み(解消できない悩み)を抱えてしまったら、徹底的に慣れるということを意識しましょう。
「受け入れよう」ではなく、「徹底的に慣れてみよう」と思った方が、いくぶんハードルが低くなるように感じます。
生きていると、心が折れてしまいそうなときが何度かあると思います。 そのようなときは、絶望などせず、以下のことを意識してください。「諸行無常」という言葉が示すとおり、すべての物事は変化していきます。 「状況」も「思考」も必ず変化していきます。 万が一、状況に変化がみられなかったとしても、あなたの物事に対する受け止め方や考え方は、年齢を重ねるごとに自然と変化していくはずです。 極論すれば、あなたが悩まなければ、悩み事は単なる「出来事」になるのです。 受け止め方・考え方次第で、悩み事は変えられる。 そう考えると、絶望する理由なんてなくなるはずです。 メンタルが不安定になった際は、医師の指示に従ったうえで、本記事を参考にしていただき、ぜひ健康なメンタルを取り戻してください。
- 安心できる環境をつくる
- 思考・生活習慣・行動を見直し、自分をいたわる
- 脳内物質を整える
- 焦らずに時間の経過を待ち、徐々に慣れる(受け入れる)
- 自分の「希望」を再確認する
参考