シミのない肌のつくり方:光老化・肌の炎症・糖化・酸化・肌代謝の乱れを防ぐ

フェイスラインを手で覆う美白の女性
本記事では、シミの予防法や対処法、シミの種類、シミができるメカニズム、シミにつながる肌の異変、シミができる原因などをお伝えします。

シミのない肌を手に入れる方法

いつまでもシミのない肌でいるためには、以下の2つのケアが必要になります。

  1. シミの予防
  2. できてしまったシミへの適切な処置
新たなシミを防ぎつつ、できてしまったシミに対処する、ということがシミのない肌を保つ唯一の方法です。

以下で詳しくみていきましょう。

シミの種類

シミは以下の6つに分類することができます。

  1. 日光性黒子(にっこうせいこく)(老人性色素斑)
  2. 炎症後色素沈着
  3. 肝斑(かんぱん)
  4. 雀卵斑(じゃくらんはん)(そばかす)
  5. 脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
  6. 花弁状色素斑(かべんじょうしきそはん)

日光性黒子(老人性色素斑)

日光性黒子とは、紫外線の積み重ねなどによってできる、もっとも一般的なシミです。

20〜30歳代以降に発生しやすく、年齢を重ねるごとに濃くなっていくのが特徴です。

後述する脂漏性角化症になっていくものもあります。

美白化粧品は、できて間もないものには有効ですが、定着してしまったものには効きません。

定着した日光性黒子は、レーザー治療によって消すことができます。

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは、ニキビや傷、虫刺され、かぶれ、湿疹、やけどなどによって炎症が起きた後に発生するシミ(色素沈着)です。

紫外線を浴びると消えづらくなるため注意が必要です。

美白化粧品が有効なタイプです。

肝斑

肝斑とは、女性ホルモンのバランスが乱れることによってできるシミです。

両頬の左右対称にできる薄茶色のシミで、30〜50歳代に発生しやすいといわれています。

日焼けによって悪化することがあります。

美白化粧品が有効なタイプで、ピーリングや内服薬を併用するとより高い効果が期待できます。

レーザー治療は適しておらず、トラネキサム酸という成分が有効とされています。

雀卵斑(そばかす)

雀卵斑とは、遺伝的な要因によって、5〜6歳の幼児期からでき始めるシミのことで、頬や鼻に小さな斑点が広がるのが特徴です。

成長するにつれて増えていき、思春期に濃くなりますが、それ以降は薄くなっていく傾向にあります。

紫外線を浴びると悪化することがあります。

遺伝的要素が強いため、美白化粧品で薄くするのは難しいといえます。

レーザー治療によって消すことができますが、再発する可能性もあります。

脂漏性角化症

脂漏性角化症とは、シミがイボのように盛り上がったものです。

皮膚自体が変化しているため、美白化粧品は効果がありません。

レーザー治療や液体窒素による凍結療法が効果的です。

花弁状色素斑

花弁状色素斑とは、強い日焼けをした後に、肩から背中にかけてできるシミです。

色白で日焼けをすると赤くなるタイプの人に多くみられます。

美白化粧品による効果は期待できません。

レーザー治療が有効です。

シミができるメカニズム

一般的なシミ(日光性黒子)ができる仕組みは、次のとおりです。

  1. さまざまな要因によって、「メラノサイト(メラニン色素をつくる細胞)」が刺激される
  2. メラノサイト内の「チロシナーゼ」という酵素が、「チロシン」というアミノ酸に作用してメラニン色素がつくられる
  3. さまざまな要因によって、肌のターンオーバーが乱れ、メラニン色素を排出する機能が低下する
  4. 肌にメラニン色素が蓄積されていきシミとなる

「メラノサイトへの刺激」によりメラニン色素が増え、「ターンオーバーの乱れ」によってメラニン色素が肌のなかに蓄積されていきます。

よって、以下の2つがシミのない肌をつくるうえで重要となります。

  1. メラノサイトへの刺激を減らす
  2. 肌のターンオーバーを正常化する

メラノサイトを刺激する要因は、以下で詳述します。

シミにつながる肌の異変

シミの発生に関連する「肌の異変」には、以下の4つがあります。

  1. 炎症
  2. 糖化
  3. 酸化
  4. ターンオーバー(新陳代謝)の乱れ

炎症および糖化・酸化は、メラノサイトへの刺激となります。

ターンオーバーの乱れは、前述したとおり、メラニン色素を排出する機能を低下させ、肌への色素沈着を引き起こします。

肌の「炎症」の原因は、物理的刺激などによる「外的要因」と、皮脂や発汗、アレルギー、アトピーなどによる「内的要因」とに分けられます。

肌の「糖化」は、糖質をとりすぎることで発生する「AGEs
(エージス)
」が原因となります(参考記事:老化の原因となる「糖化」と「酸化」【AGEsと活性酸素が増える原因と対処法】)。

肌の「酸化」は、紫外線曝露や激しい運動、飲酒、喫煙、ストレスなどによって生じる「活性酸素」によって引き起こされます。

肌の「ターンオーバーの乱れ」は、紫外線や乾燥といった外部刺激のほか、生活習慣の乱れやストレス、便秘、加齢などによっても生じます。

シミの原因

上記4つのシミにつながる「肌の異変」を引き起こすものとして、以下の8つが挙げられます。

  1. 紫外線
  2. ブルーライト
  3. 乾燥
  4. 物理的刺激
  5. 生活習慣の乱れ
  6. ホルモンバランスの乱れ
  7. 大気汚染
  8. 加齢

肌の炎症、糖化、酸化、ターンオーバーの乱れを招くこれらは、シミの根本原因といえます。

以下で詳しく解説していきます。

紫外線

紫外線とは、ヒトの目には見えない電磁波(不可視光線(ふかしこうせん))の一種で、太陽光に多く含まれています。

肌老化のおよそ8割が「紫外線」によるものといわれているため、きれいな肌の維持には、「紫外線対策」が必須となります。

紫外線による肌へのダメージは徐々に蓄積されていき、一定値を超えるとシミやシワ、たるみ、くすみ、そばかすとなって現れます。

ちなみに、紫外線によるこれらの症状(肌の老化)を光老化とよびます。

紫外線にはA波(UV-A)、B波(UV-B)、C波(UV-C)の3種類があります(UV:紫外線の英語名「ultraviolet」の略称)。

「UV-C」は、成層圏のオゾンなどによって完全に吸収されるため、地表には到達しません。

よって、光老化に関与するのは、「UV-A」と「UV-B」の2つとなります。

それぞれの特徴を以下でみていきましょう。

UV-A

「生活紫外線」ともよばれるUV-Aは、地表に届く紫外線のおよそ9割を占めています。

波長が長く、肌の奥深く(真皮)にまで到達するという特徴があるため、真皮層のコラーゲンやエラスチンを変性させ、シワやたるみといった「光老化」を引き起こす原因となります。

比較的エネルギーが弱く、肌に急激な変化を与えづらいといえますが、UV-Aによる肌へのダメージは確実に蓄積されていくため注意が必要です。

波長が長いUV-Aは、雲や窓ガラスなどを通り抜けやすい性質があるため、曇りの日や雨の日、および屋内においても、紫外線対策を徹底するのが望ましいといえます。

UV-Aの特徴をまとめると以下のようになります。

UV-B

「レジャー紫外線」ともよばれるUV-Bは、波長が短いため、主に肌の表面(表皮)に悪影響を及ぼします。

エネルギーが非常に強いため、短時間浴びただけでも、肌に急激な変化を与える可能性があります。

代表的な症状としては、サンバーン(皮膚が赤く炎症を起こす急性症状)やサンタン(皮膚表面へのメラニン色素の沈着)といった「日焼け反応」があります。

また、UV-Aと同様に、UV-Bも「光老化」に関与しており、とくにシミやそばかすの発生に深く関わっているといわれています。

UV-Bの特徴をまとめると以下のようになります。

余談ですが、タンニングマシン(いわゆる日焼けマシン)は「UV-Aのみで焼けた肌をつくる」というものです。

UV-Bが含まれていない分、太陽光と比べると体への侵害性は弱いといえますが、皮膚の細胞を傷つけることに変わりはありません。

肌への軽めのダメージが蓄積され、思わぬ肌トラブルなどを招くことも考えられるため、日焼けマシンの使用は控えるべきでしょう。

ちなみに、太陽光には、紫外線のほかに「近赤外線」という光も含まれています。

この光は、真皮の奥深くにある皮下組織や筋肉にまで到達し、シワやたるみを引き起こします。

また、太陽光には、後ほど詳述するブルーライトも含まれており、シミやくすみをつくる原因となります。

以上のように、肌にさまざまな弊害をもたらす「太陽光」は、美容にとって「大敵」といえるでしょう。

紫外線による「害」と「良い作用」

紫外線による肌へのダメージは、「光老化」だけではなく、皮膚がんや前がん症、良性腫瘍なども招きます。

また、皮膚の病気だけではなく、目の病気(白内障や翼状片、紫外線角膜炎など)や免疫機能の低下なども引き起こします。

これらの症状は、QOL(生活の質)を低下させる要因となり得るため、紫外線対策は、美容面以外でも必要となることがわかります。

とはいえ、紫外線には以下のような「良い作用」があるのも事実です。

ビタミンDとセロトニンは心身の健康にとってはなくてはならない存在のため、「短時間の日光浴」は必要といえます。

1日に必要な日光照射時間は、地域や季節、時刻、天候、服装、皮膚色などによって大きく変わるため、一律に○○分ということはできませんが、一般的な目安としては「15〜30分程度」といわれることが多いようです。

適切な日光照射時間を割り出すことが困難な一個人が、適切な量の紫外線を浴びるためには、以下のようなことを心がけるのが現実的かつ最善の策といえます。

  1. 1日1回は外出する
  2. じかに日光を浴びる時間の目安は15〜30分程度(あくまでも目安)
  3. 長時間外にいない
  4. 紫外線の強い時期(4〜9月ごろ)や晴天時は、外にいる時間を短めにする
  5. 紫外線の弱い時期(11月〜1月ごろ)や雨天時は、外にいる時間を長めにする

ブルーライト

ブルーライトとは、端的にいうと「青く見える光」のことで、ヒトが光として見ることができる電磁波(可視光線(かしこうせん))の一種です。

パソコンやスマートフォン、携帯ゲーム機、タブレット端末、テレビなどのモニター画面から発せられていることで有名ですが、太陽光や照明器具(LED照明など)にも多く含まれています。

ブルーライトは、紫外線と同じく「光老化(主にシミやくすみ)」を招く原因とされています。

とくに注意が必要なのは、「太陽光」に含まれるブルーライトです。

太陽光中のブルーライトは、電子機器などに含まれるものと比べてエネルギーが強く、肌を酸化させる作用があることがわかっています。

また、電子機器などから発せられるブルーライトは、エネルギーは比較的弱いものの、使用する際は顔との距離が近くなることもあり、やはり太陽光と同様に光老化の原因となるおそれがあるので注意が必要です。

乾燥

肌への乾燥刺激は「シミ悪化因子(メラノサイトを活性化し、メラニン色素の生成を促進するもの)」を増やすことがわかっています。

多くの人は、春夏は美白ケアを頑張りますが、紫外線が弱まる秋冬はおろそかになりがちです。

秋冬は「乾燥」によってメラニン色素が発生しやすくなる。

このことを念頭に置き、秋冬は乾燥ケアだけではなく、美白ケアも徹底するようにしましょう。

物理的刺激

肌への刺激は炎症を招き、シミをつくる原因となります。

肌に刺激となることには、以下のようなものがあります。

意外と盲点なのが、「寝ているとき」の肌への刺激です。

シミ予防の観点から考えると、もっとも顔への刺激が少ない「仰向け」がベストな寝姿勢といえます。

ただし、重力によって舌が下がり、気道をふさぎやすい寝姿勢のため、いびきをかく人や睡眠時無呼吸症候群を患っている人は、横向きで寝ることをおすすめします。

また、「仰向け寝」は、枕の高さやマットレスの硬さが体に合っていないと、首の痛みや腰の痛みを誘発しやすいため、寝具選びは慎重に行うとよいでしょう。

生活習慣の乱れ

食事・運動・睡眠といった生活習慣は、シミの発生に大きく関与しています。

糖質の多い食品や高GI値の食品を摂取することで、体内のAGEsが増え、体の糖化を招きます。

くわえて、早食いや飲酒、喫煙などによっても、体内のAGEsが増えます。

また、ポテトチップスやカレーパン、古い油などの「酸化した食品」や、加工食品などの「添加物の多い食品」を摂取すると、体内の活性酸素が増え、体の酸化を招くので注意が必要です。

運動不足は体内にAGEsを発生させ、体の糖化につながります。

一方で、激しい運動は体内に活性酸素を発生させ、体の酸化を招きます。

食事や運動と同様に、睡眠不足も体の糖化と酸化を招くので注意しましょう。

ホルモンバランスの乱れ

妊娠や経口避妊薬(ピル)の投与、不摂生な生活、ストレス、加齢などによって女性ホルモンのバランスが崩れると、シミの一種の「肝斑」ができる場合があります。

これは女性特有のシミで、30〜40歳代に好発します。

およそ50歳代までの女性にみられ、高齢者にはほとんど発症しないのが特徴です。

発症しても、歳を重ねるごとに薄くなったり、消えたりする傾向にありますが、紫外線を浴びることにより症状が悪化する可能性があるため、UVケアはしっかりと行うべきです。

大気汚染

タバコの煙や排気ガス、PM2.5などには、「ベンツピレン」という有害化学物質が含まれています。

この物質は紫外線によって刺激物質に変化し、肌内部に微弱な炎症を引き起こす原因となります。

炎症が繰り返されると、刺激物質がメラノサイトを刺激し、メラニン色素の過剰生成につながります。

また、上記のベンツピレンを含む大気汚染物質および花粉、黄砂などによって肌がダメージを受けると、体内の「活性酸素」の量が増えます。

「ベンツピレンによる肌への刺激」にくわえ、大気汚染物質が肌に付着した際に生じる「肌内部の活性酸素量の増加」などが、シミをはじめとする肌トラブルの原因となるため、空気の悪い場所は極力避けるようにしましょう。

加齢

歳を重ねるにつれて、肌の生まれ変わりのサイクルの「ターンオーバー(新陳代謝)」が遅れていきます。

ターンオーバーが遅れることよって、メラニン色素の排出が滞り、その結果としてシミが発生してしまいます。

加齢は誰にでも平等に訪れますが、筋力や新陳代謝の低下といった「加齢にともなう症状」を遅らせることは十分可能です。

そのためには、生活習慣を改め、体の「糖化」や「酸化」を抑える必要があります(関連記事:老化の原因となる「糖化」と「酸化」)。

シミの予防法

シミの予防法は、以下のようなものがあります。

  1. 紫外線対策
  2. ブルーライト対策
  3. 正しいスキンケア
  4. 生活習慣と環境の見直し
  5. シミを防ぐ食べ物の摂取

紫外線対策

紫外線対策として、以下のようなものが考えられます。

日焼け止め

日焼け止めを選ぶ際の指標(紫外線防止効果の指標)として「SPF」と「PA」があります。

SPFは「UV-B」を防ぐ効果を1〜50の数値で示し、数値が大きくなるほど効果が高くなります。

SPFが50を超えている製品は「50+」と表示され、これが事実上の最大値となります。

PAは「UV-A」を防ぐ効果を4段階の「+」マークで示し、+の数が多くなるほど効果が高くなります。

最高値の「SPF50+」「PA++++」の日焼け止めは、炎天下でのレジャーやマリンスポーツの際に適しています。

お散歩や屋外での短時間のスポーツの際には、「SPF30」「PA+++」程度の日焼け止めでも、十分な効果が得られるといわれています。

日焼け止めを塗る際は、適量をムラなく塗ることを心がけ、汗をかいた際は、こまめに塗り直すようにしましょう。

最大の効果を得るためには、2時間おきに塗り直すのがよいといわれています。

「UVカット効果」のあるサングラス

目に紫外線が入ると、メラニン色素が体全体に増えるといわれています。

そのため、UVカット効果のあるサングラスは、目の健康だけではなく、美容にも効果的といえます。

サングラスを選ぶ際は、必ずUVカット効果があるものを選び、レンズの色が濃すぎないものを選びましょう。

サングラスを選ぶ際の指標として、「紫外線透過率」「紫外線カット率」「UV+数値」があります。

「紫外線透過率」は、レンズが紫外線を通す割合を示し、低いほどよいとされています。

「紫外線カット率」は、その名のとおり紫外線をカットする割合を示すため、高いほどよいということになります。

「UV+数値」はカットできる紫外線の波長を示したもので、もっとも長い波長のUV-Aは「315~400nm」なので、「UV400」のレンズであれば、UV-AとUV-Bの両方をカットできることになります。

また、暗いところで瞳孔が開くのと同様に、濃すぎるレンズのサングラスを装着すると瞳孔が開き、側面から入り込む紫外線を体内に取り込んでしまう可能性が増してしまうため、レンズの色は薄いものにしましょう。

理想的なサングラスは以下のようになります。

ブルーライト対策

ブルーライト対策として、以下のようなものが考えられます。

紫外線と同様、ブルーライトを完全に遮断することは不可能です。

外出しないわけにはいきませんし、電子機器を一切使わないというのも現実的ではありません。

そのため、不要な外出は避け、電子機器の使用はできるだけ控える、というのが現実的なブルーライト対策になるかと思います。

正しいスキンケア

間違ったスキンケアは、肌の炎症や乾燥をもたらし、結果としてシミの増加につながります。

スキンケアの各プロセスにおいて、注意すべき点は以下のようになります。

クレンジング

もっとも肌に負担がかかるプロセスがクレンジングです。

適量のクレンジング料を手にとり、指の腹を使ってやさしくメイクアップ料となじませていきましょう。

クレンジング料は肌への負担となるため、すすぎを含めて1分間程度で終わらせるようにしましょう。

熱いお湯は肌の乾燥を招き、冷たい水は油分が固まる原因となるため、すすぎは、ぬるま湯で手早く行うようにしましょう。

洗顔

適量の洗顔料を手にとり、泡立てネットなどを使って十分に泡立てましょう。

そして、顔に泡をのせて、くるくると円を描くようにやさしく汚れとなじませていきます。

クレンジングと同様に肌への刺激となるため、1分〜1分30秒程度で終わらせるようにしましょう。

すすぎ残しは、肌トラブルの原因となるため、しっかりと行ってください。

急激な温度変化は「赤ら顔」の原因となるため、仕上げの冷水などは避けましょう。

化粧水

手でパチパチと叩く行為は、前述した物理的刺激になるため、シミや赤ら顔の原因となります。

まずは、適量の化粧水を手にとり、手のひらで顔全体にさっとなじませます。

仕上げに、乾燥しやすい目元やフェイスラインを軽く押さえてなじませるようにしてください。

ちなみに、何度も重ねてつけても、化粧水が肌へ浸透していく量が大きく変わることはないため、適量の使用で十分です。

美容液

美容液は、美白やアンチエイジンといった「予防」の目的で使用されるものです。

美容液を部分的(目元だけなど)に使用している場合、きちんとした予防の効果は期待できないため、しっかりと顔全体に塗るようにしましょう(商品の説明書に、部分使用をすすめる記載がある場合は除きます)。

まずは、適量の美容液を両手のひらに広げ、押さえるように顔全体になじませていきます(目の周りや小鼻などもしっかりと塗っていきましょう)。

次に、肌が強い人は、中指と薬指を使って、やさしくすべらせるようにマッサージするとよいでしょう。

仕上げに、目の周りやフェイスラインを押さえてなじませましょう。

オイリー肌の人は、美容液をTゾーンにつけすぎると肌トラブルの原因となるため注意しましょう。

2つ以上の美容液を使う際は、「水っぽいもの→油っぽいもの」の順番で塗っていきましょう。

油っぽいものを先に塗ってしまうと、次に塗る美容液の浸透が損なわれる原因となります。

乳液&クリーム

乳液とクリームは「油分を補う」ということを目的としているため、30代以下のしっかりと保湿ができている人には不要といえます。

使用する際は、皮脂分泌が少ないと感じる部分をメインに塗っていきましょう。

UVケア

紫外線は窓などから家の中に入ってくるため、出かける直前ではなく、朝のスキンケアの一環として日焼け止めを塗るようにしましょう。

肌の乾燥は過剰な皮脂分泌を招き、皮脂くずれの原因となるため、しっかりと保湿ケアを行ってから日焼け止めを塗るようにしましょう。

日焼け止めを使用する際の重要なポイントは、「適量をムラなく塗る」ということです。

ベタつきなどを気にして使用量を少なくすると、紫外線の防御効果が減ってしまいます。

日焼け止めを顔に塗る際は、両頬、額、鼻、あごの5ヶ所にのせ、全体にムラなくなじませるようにしましょう。

パウダーファンデーションを重ねることで、より確実に紫外線をカットすることができるのでおすすめです。

生活習慣と環境の見直し

シミを予防するためには、生活習慣と環境を整える必要があります。

生活習慣

前述したとおり、シミを予防するうえで食事・運動・睡眠といった生活習慣は非常に重要です。

とるべき食品の特徴は、以下のようになります。

これらの食品は、体の糖化と酸化のリスクを減らすため、肌にやさしい食品といえます。

また、暴飲暴食や早食いは避け、飲酒や喫煙を控えることも重要です。

先に述べたとおり、運動の不足は糖化を招き、激しい運動は酸化を招きます。

よって、体に負荷の少ない有酸素運動(ウォーキングなど)は、活性酸素の発生を極力抑えつつ、体の糖化を防止する最善の手段といえます。

なお、運動によって肌のターンオーバーが促進されるため、シミの排出効果も期待できるでしょう。

体の糖化と酸化を抑えるために、睡眠時間は、1日7〜7.5時間程度を確保してください。

くわえて、起床と就寝の時間を固定し、生活リズムを整えるのが望ましいでしょう。

環境

シミができにくい理想的な環境は、以下のようなものが考えられます。

引っ越しや就職(転職)の際には、上記環境の構築を図るとよいかもしれません。

とはいえ、現代社会において、すべてを満たすことは困難だと思うので、可能な範囲で環境を整えていきましょう。

シミを防ぐ食べ物の摂取

紫外線を浴びると体内の活性酸素が増え、皮膚細胞の酸化が進みます。

その結果として、シミやシワといった皮膚の老化減少が現れます。

これらの症状を予防・改善するためには、「抗酸化物質」を含む食品を摂取するのが効果的です。

抗酸化物質には、以下のような栄養成分が該当します。

ちなみに、ビタミンEとビタミンAは「脂溶性ビタミン」とよばれ、体に蓄積されていくのに対し、ビタミンCは「水溶性ビタミン」とよばれ、体に蓄積されない性質があります。

また、ヒトの体がビタミンCを一度に吸収できる量は決まっているため、吸収しきれなかった分は排泄によって体外に出てしまいます。

そのため、サプリメントでビタミンCを摂取する際は、1日の摂取量を一度にとるのではなく、数時間おきの複数回に分けて摂取するのが望ましいといえます。

よって、ビタミンCのサプリメントを選ぶ際は、1日の摂取量が2カプセル(2錠)以上に分けられているものを選ぶとよいでしょう。

できてしまったシミへの対処法

できてしまったシミ(日光性黒子)への対処法は、大きく分けて以下の2種類があります。

  1. 市販の美白ケア用品(美容液やサプリメントなど)を使用する
  2. 病院や美容クリニックへ行き、適切な治療(レーザー治療や投薬治療など)を受ける
できて間もないシミは、適切なケア用品を使用することで徐々に薄くなっていき、ある程度目立たない状態になる可能性があります。

よって、シミを完全に消すのではなく、目立たない程度に薄くする、ということを目的とする場合は、メラニン色素の排出を促す美白化粧品を試してみるとよいでしょう。

一方、できてからある程度の時間が経過したシミは、自力で薄くしていくことは不可能、と考えるのが現実的です。

シミを完全に消したい、もしくは、美白化粧品を使用しても効果が感じられない、という場合は、病院や美容クリニックに行って相談してみるとよいかもしれません。

美白有効成分の種類

主な美白有効成分は、以下のようなものがあります。

このなかでも、ビタミンC誘導体や4MSKは、シミ予防の効果にくわえ、シミの排出作用もあるため、できて間もないシミを薄くするのに有効といえます。

当然ながら、万人に合う美白化粧品はないため、成分などを比較し、自分で商品を探すことになります。

しかし、美容成分などの知識がない人にとって、自分の目的や肌質に合った商品を選ぶことは容易ではありません。

そこで、商品を選ぶ際の目安として、「医薬部外品」があります。

これは、医薬品と化粧品の中間に位置するもので、何らかの効果があるものとして、厚生労働省が許可した成分が配合された商品を指します。

化粧品と比べて、必ずしも医薬部外品のほうが効果が高いとはいいきれませんが、一定の安全性や信頼性はあるため、商品選びで迷った際は指標にするとよいかもしれません。

定着してしまったシミへの対処法

前述したとおり、定着してしまったシミを消すには、病院や美容クリニックでレーザー治療や投薬治療を受けるしかないのが現状です。

レーザー治療は、軽微とはいえ、体を傷つける行為です。

治療がうまくいかず、やけどなどを負ってしまうことも考えられます。

ゆえに、治療を受けるか否かは慎重に判断すべきです。

治療を受けることを決め、病院や美容クリニックを選ぶ際は、料金や広告だけで判断するのは避けてください。

また、家から近い、という理由だけで選ぶのも避けたほうがよいでしょう。

できる範囲で情報(治療実績など)を集め、口コミなどもしっかりとチェックしましょう。

そして、いくつかの病院(美容クリニック)をピックアップし、実際に足を運んで話を聞きましょう。

そして、信頼できると感じたところで治療を受けるようにしてください。


笑顔でこちらを見る美白の女性
シミのない肌でいるためにもっとも必要なことは、「いかにシミをつくらせないか」です。

できてしまったシミを自力で薄くすることは容易ではありません。

病院などで治療を受けるにしてもお金や時間がかかるうえ、失敗などのリスクもつきまといます。

ぜひ、日頃から紫外線や乾燥といった「シミの原因」に適切に対処し、いつまでもきれいな肌でいてください。
参考