本記事では、「安定したメンタル」を保つことの重要性やメリットをお伝えします。
これからを生き抜くうえで必須となる「メンタルの安定」
時代が進むにつれて、「安定したメンタル」でいることの重要性が増してきています。
今から100年ほど前の「日本の自殺者数」は1万人前後であったのに対し、現在の日本における自殺者数は倍以上の2~3万人で推移しています。
文明が発達すればするほど、「精神を害する要因」の多様化および複雑化が起き、それが「自殺者数の増加」という形となって現れていると考えられます。
今から100年ほど前の時代は、文明は十分に発達していたものの、食料や医療などのライフラインが完全には整備されておらず、戦争の激化も相まって、「生存するのに必死な時代」であったといえるでしょう。
それに対して現代は、食料が安定的に供給されるようになったうえ、医療技術の目覚ましい発展、「社会保険」や「生活保護」などのセーフティネットの確立などもあり、大幅に「生存しやすい環境」が整ったといえます。
しかし、その反面、メンタルを悪化させる要因が多様化し、事態がより複雑になってきていると感じます。
調べによると、近年における主な「自殺の原因」としては、健康問題、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題、男女問題、学校問題などがあるそうですが、これらの問題は100年ほど前の日本にもあったものと思われます。
それではなぜ、日本の自殺者数は増加しているのでしょうか。
ライフラインが不完全であった100年ほど前は、人々の「メンタル悪化の原因」の大部分は、健康、仕事、金銭などの「生存に関わる問題」であった可能性が高く、現代人が抱えるそれとは多少なりとも性質が異なっていたものと思われます。
あくまでも推測ですが、現代は生存しやすくなったがゆえに、前述した「生存に関わる問題」のほかに、人間関係などの「生存に深く関わらない問題」も抱えやすくなったと思われます。
さらに、以下のような要因も事態を悪化させていると考えられます。
- 高齢化社会となったことによる「医療」や「介護」に関連する問題の増加
- インターネット社会の確立などに起因した、コミュニケーション形態の変化および人同士の関わり合いの希薄化
- 種々の苦痛をともなう「生活習慣病(糖尿病など)」のまん延
- 食の欧米化(牛肉や豚肉といった、いわゆる「赤い肉」の摂取量の増加など)
- 電子機器や加工食品、食品添加物など、メンタルへの悪影響が噂されるものの出現および増加
これらが現代人のメンタルの不調に拍車をかけ、「生存はしやすいが、自ら終わらせてしまう可能性が増した社会」が形成される原因となっていることが考えられます。
以上のことから、現代は「人々のメンタルを取り巻く環境」が新たな局面を迎えた、ある種の「転換点」だといえるのかもしれません。
「精神を害する要因」が氾濫している現代社会を生き抜くうえで、「メンタルの安定」が必須となることは明白です。
安定したメンタルでいることのメリット
「安定したメンタル」でいることの具体的なメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
- ストレスを原因とする病気にかかる可能性が下がる
- 「動くこと」ができる
- 体に良い習慣が身につきやすい
- 対人コミュニケーションが円滑になる
- 心穏やかに過ごせる
「ストレスを原因とする病気」にかかる可能性が下がる
ストレスは、体のあらゆる部位に悪影響を及ぼすことが知られており、うつ病などの精神疾患のほか、心血管疾患、消化器疾患など、実に多くの病気と関連しているとされています。
心と体は表裏一体です。
心が乱れると次第に体も乱れていき、逆もまた然りです。
「動くこと」ができる
生きるうえでは、「動くこと」が重要となります。
ここでいう「動くこと」には、仕事や家事といった生活全般の「物理的な動作」にくわえ、「挑戦する心」や「喜びの感情」といった「心の動き」も含まれます。
人はメンタルの不調に陥ると、心身ともに動きが鈍くなります。
その結果、「心が晴れず、体がだるい」という状態になります。
メンタルが安定すると、前述した「挑戦する心」や「喜びの感情」などを抱けるようになり、結果として、次第に人生が好転していくことが期待できます。
体に良い習慣が身につきやすい
メンタルが乱れた状態では、暴飲暴食や夜ふかしなどの、体に悪いとされている行動をとりやすくなります。
その結果、「病気になる→メンタルが悪化する→生活が乱れる→病気が悪化する」という負のスパイラルに陥ってしまう可能性も考えられます。
メンタルが安定することで、前述した「体に悪いとされている行動」をとりづらくなるうえ、「睡眠の質の向上」などの多くのメリットが期待できるため、生活習慣を改善する際は、メンタルを安定させることから始めるとうまくいくかもしれません。
対人コミュニケーションが円滑になる
対人関係において、表情や顔色、視線、しぐさといった「非言語コミュニケーション」が非常に重要となります。
多くの人は、メンタルが悪化すると気力が低下し、結果として表情が乏しくなり、さらには声量の低下なども招きます。
また、感情を表すことが困難になるうえ、周囲に関心を示さない状態となることも多いといわれています。
これらの状態は、人とコミュニケーションをとるうえで、決して良好な状態とはいえず、社会生活を送るうえで大きな弊害となりえます。
メンタルが安定すると、他者と交流する「余裕」が生まれるため、自然と「非言語コミュニケーション」も行えるようになるでしょう。
心穏やかに過ごせる
メンタルが不安定なときの代表的な感情および症状として、不安や焦り、怒り、恐怖、緊張などがあり、これらは心身を激しく消耗させます。
心身をすり減らしながら日常生活を送るということは、想像以上の苦労を強いられます。
メンタルの悪化が長期化したことにより、「一日を乗り切るだけで精一杯な状態」に陥ってしまうケースも考えられます。
「穏やかな心」は日常生活、ひいては幸せな人生を送るうえで重要な要素となることは間違いないでしょう。
現代人にとって、「いかにしてメンタルの安定を保つか」ということが大きな課題になっていると感じます。 前述したように、現代社会においては、実に多くの物事が「メンタル悪化の原因」となりえます。 このような状況下において「メンタルを安定させること」は、もはやひとつの立派な「スキル」だといえるでしょう。 おそらく、このスキルは、一朝一夕で会得できるようなものではなく、日々の「思考」や「生活習慣」を意識的に改善していくなかで、少しずつ形成されていくものなのだと思います。