本記事では、美容と健康の関係性や体に悪い美容法、実践すべき美容法、美容に取り組むうえで心得ておくべきことなどをお伝えします。
「美しさ」は健康の上に成り立つ
長きにわたり、女性の大きな関心事となっているものに「美容」があります。
近年では、男性の美意識も高まり、メンズ化粧品を使ったり、メンズエステに通ったりする男性も増えてきました。
性別の垣根を越え、「人類の関心事」となりつつある「美容」ですが、これほどまでに多くの人々が「きれいになりたい」と考えるのはなぜでしょうか。
- きれいになって好きな人に振り向いてほしい
- きれいになって〇〇になりたい
- きれいになって自信をもちたい
さまざまな理由が考えられますが、それらの根底には、「幸せになりたい」という願望があるのではないでしょうか。
そのように考えると、「きれいになりたい」という感情は、「幸せになりたい」という願望とほぼ同じ意味といえるでしょう。
そして、それと同時に「きれいになるための手段」に「幸せの妨げとなる要素」が含まれていてはいけない、ということがいえます。
それでは、「幸せの妨げとなる要素」とは何でしょうか。
いろいろと考えられますが、そのうちのひとつに、「不健康」があります。
「健康」がなければ、生活にさまざまな制限が生まれ、幸せな人生を歩むうえでの大きな弊害となりえます。
よって、実践すべき美容法には、「健康を害する(体にダメージを与える)要素」が含まれていないことが絶対条件だといえます。
体に悪い美容法
世の中には、実践すると健康を害するおそれのある「体に悪い美容法」が存在します。
それには、以下のようなものが該当します。
- 無理なダイエット
- 美容整形
- 不要な栄養成分(健康食品やサプリメント)の摂取
- 不要な美容成分(化粧品など)の使用
- 医学的根拠のない美容施術(○○矯正など)の利用
これらは、健康を脅かす可能性があるため、「きれいになりたい≒幸せになりたい」と考えるのであれば、実践(使用)しないのが懸命です。
無理なダイエットと美容整形
上表の1と2(「無理なダイエット」と「美容整形」)は、得てして即効性があったり、目に見える変化が大きかったりするため、とても魅力的に感じるかもしれません。
しかし、短期間で劇的に変わることができたとしても、効果が長続きしなかったり、後遺症が現れたりする場合があります。
いわば、健康を度外視して「持続困難な美しさ」を求める美容法だといえます。
そして、これらを繰り返すほどに体へのダメージが蓄積されていきます。
これらの美容に共通していえることは、「歯止めがきかなくなる」という危険性をはらんでいるということです。
ある意味での「ストイックさ」が悪い方向へ働き、「もっと痩せなきゃ」「もっときれいになれるはず」という思考に支配され、自分の体を延々と痛めつけるようになってしまうおそれがあるのです。
決して、ダイエットと整形の全てが「悪」だといっているのではありません。
これらの美容法のリスクを理解せずに、節度を守らずに延々と繰り返してしまうことこそが「悪」なのです。
不要な栄養・美容成分
上表の3と4(不要な栄養・美容成分)の具体的な特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- 効果に明確な根拠がない
- 体への刺激性が強い(毒性の強い成分・添加物が含まれている)
- 体質に合わない
- 品質が悪い
これらの特徴をもった商品は、良い効果が期待できないうえ、思わぬ副作用が現れることも考えられるため、使用は控えるべきでしょう。
医学的根拠のない美容施術
上表の5(医学的根拠のない美容施術)には、「負傷」などのリスクがあります。
このような施術は、考案されて間もないものが多く、安全性への配慮(検証)が十分になされていない可能性があります。
とくに注意を要するのが、「必要以上の強い力で押圧する施術」や「関節をボキボキと鳴らすことを目的とした施術」です。
「必要以上の強い力で押圧する施術」は、骨折や筋肉の損傷などにつながる危険性をはらんでいます。
施術(あん摩やマッサージ、指圧など)には一定の力は必要となります。
しかし、痛みによって、施術を受けている人の顔がゆがむほどの力は必要ありませんし、過剰な力は体を傷つけるので逆効果です。
「押圧の強さ」と「効果」は比例しないということを覚えておいてください。
関節を鳴らす行為を「危険」とする見方がある一方で、「問題ない」とする見方もあるようです。
とはいえ、関節への小さな負荷が積み重なり、ある日突然「痛み」などが発症することも十分に考えられます。
とくに「首」は、大事な血管や神経が多く通るデリケートな部位なので、「自分で首を傾けて音を鳴らす行為」なども行わないほうがよいでしょう。
少しでも体に害となる可能性がある以上、「関節音を鳴らす行為」は控えたほうがよいでしょう。
実践すべき美容法
「実践すべき美容法」とは、「健康にもプラスとなる美容法」のことです。
それには、以下のようなものが考えられます。
- 適度な運動(ジョギング・ヨガ・筋力トレーニング・スポーツなど)
- 食事内容の改善(糖質を控え、たんぱく質や脂質、食物繊維などを中心とした食生活にするなど)
- 睡眠の改善(7〜7.5時間程度の睡眠時間の確保、就寝・起床時間の固定化など)
- 体の「糖化」と「酸化」を防ぐ生活(関連記事:老化の原因となる「糖化」と「酸化」)
- 紫外線対策
- 入浴・サウナ・岩盤浴
- こまめな水分補給
- 肌を潤す機器の使用(フェイススチーマーや加湿器など)
- 体質に合った低刺激の美容成分(自然由来のものなど)の使用
- 表情筋トレーニング
- 姿勢の矯正
- 洗髪後のドライヤーの使用
- パーマやヘアカラーの間隔を延ばす
- 定期的な歯科検診
これらは、体に備わっている機能を維持・向上させ、「体の内側」から美しくなることを目的にしたものがほとんどです。
そのため、効果が現れるのに一定の時間がかかる場合が多く、瞬発的な効果はあまり期待できないかもしれません。
しかし、裏を返せば、これらの方法で得た「美しさ」は、元に戻るのにも一定の時間がかかるということがいえます。
すなわち、上記の「体に良い美容」は、「持続性の高い美容法」だといえます。
「体に良い美容」の特徴をまとめると以下のようになります。
- 「美容」のみならず「健康」にもメリットがある
- 持続性が高い(継続することで効果が持続しやすい)
- 「運動」や「睡眠の質の向上」によりメンタルが安定する
- 大きな出費がない
経済的なうえ、「美容」から「健康」まで、実に多くのメリットがあるこれらの方法は、「美」を志す人にとって有益な選択肢となりえます。
美容を長いスパン(年単位)で考え、できそうなものからぜひ試してみてください。
美容の心得
「美容に取り組むうえで心がけておきたいこと」には以下のようなものがあります。
- 「健康を目指すこと」こそが「最高の美容法」となる
- 結果を焦らない(「短期目線」ではなく「長期目線」で考える)
- 自分が理解できないこと(もの)には手を出さない
- 「後悔する可能性(危険性)」を少しでも感じたら、そのサービス(商品)は利用しない
- 「自分の力で変えられること」にフォーカスする
「美容」に気を使うことはとても健全で良いことですが、くれぐれもその方向性を間違えないでください。
「美容の本質」は「健康」にあります。 健康を犠牲にして獲得する「美」には何の価値もありません。 前述したように、「きれいになりたい」という感情と「幸せになりたい」という感情を「ほぼ同じもの」としてとらえるのであれば、健康を害する「体に悪い美容法」の存在価値はなくなるはずです。 「手っ取り早くきれいになりたい!」「きれいになれるのなら健康は二の次でいい!」といった浅はかな考えは捨て去りましょう。 まずは「健康づくり」に励みましょう。 確固とした健康を手に入れ、保つことこそが「真の美容法」です。 「健康になる」→「結果としてきれいになる」という流れを意識してください。 体を壊して後悔することになる前に、自分が取り組むべき「美容」はどのようなものなのかをじっくりと考えていただければ幸いです。