今からベストを尽くす【やり直しがきかない人生における最善策】

腕立て伏せをする女性
本記事では、今からベストを尽くすことの重要性やベストを尽くせない原因、行動の手順などをお伝えします。

「今からベストを尽くす」が最善の策

あなたは、「1万時間の法則」というものをご存知ですか?

これは、ジャーナリストのマルコム・グラッドウェル氏によって提唱された、「ある分野で成功するためには、およそ1万時間の努力が必要となる」とする経験則です。

この法則の真偽は定かではありませんが、「スキルを身に付け、何かを成し遂げるためには、多くの時間を費やす必要がある」ということは、確実にいえると思います。

そして、ことを成すのに「多くの時間」が必要になる以上、より早い段階で「やりたいこと」が見つかっていた方が有利だともいえます。

理想としては、「幼少期に『やりたいこと』が見つかり、それから脇目も振らずにひたすら継続!」という感じだと思いますが、大半の人はそのようにいかないのが実際のところでしょう。

誰しも幼少期には、大なり小なりの「夢」を抱きますが、「本当にやりたいこと」というのは、「自分への適正」などを判断できる年齢になって、ようやく見つかるケースが多いのです。

そして、「やりたいこと」が見つかった年齢が遅ければ遅いほど、「どう動くか」が重要となってきます。

「やりたいこと」が見つかったのなら、それを実現させるために今すぐにベストを尽くすのが、もっとも理にかなった行動だといえます。

しかし、多くの人は、「やりたいこと」が見つかっても、思うように動くことができません。

それはなぜでしょうか。

以下で考えていきましょう。

ベストを尽くせない原因

ベストを尽くせない原因として、以下のようなことが考えられます。

時間がない

仕事や学業が忙しく、何かに挑戦する余裕がないという状態です。

拘束時間が長く、自由な時間が少ないため、何かに挑戦しようとすると、かなりハードなスケジュールを立てることになります。

解決策には、以下のようなものが考えられます。

このタイプは、「時間の確保」がもっとも重要な課題です。

今の生活での「無駄な時間」を洗い出し、着実に削っていきましょう。

そして、移動時間や休憩時間を有効に活用することで、「やりたいこと」に割く時間を増やすことができます。

注意点を挙げるとすれば、「就寝前のリラックスタイムや睡眠時間を削らない」ということです。

就寝前に脳を使うと目が冴えてしまうため、眠りに入るまでの時間が延びてしまう可能性があります。

また、「短い睡眠」は「さまざまな病気」や「脳機能の低下」を招くため、睡眠時間を削ることは避けてください。

人生は長期戦です。

くれぐれも「体が資本」ということを忘れないでください。

やるべきことがわからない

「やりたいこと」は見つかっているものの、「やるべきこと」がわからないという状態です。

このような場合は、本などで「やりたいこと」の基礎を固めることから始めてみましょう。

基礎を学びつつ、同時に「やりたいこと」の情報を集め、「次の一手」を考えてください。

注意点としては、「いつまでも基礎学習ばかりをしない」ということです。

学習(インプット)によって得た知識は、実践(アウトプット)で積極的に使用することにより、脳に定着しやすくなるといわれています。

裏を返せば、いくら必死に学習をしても、実践をしなければ、いずれ忘れてしまう可能性が高いということです。

「やりたいこと」が、「すぐに実践できること」ならば、早い段階で実践に移りましょう。

そして、実践をするとでわからないことがたくさん出てくると思うので、それらを1つずつ解消していき、着実にスキルを高めていきましょう。

面倒くさい

行動するのが面倒くさくて、行動を先延ばしにしている状況です。

この「面倒くさい」という感情には、現状維持バイアスという心理傾向が深く関わっている可能性があります。

「現状維持バイアス」を端的にいうと、「現状に固執し、変化を拒む心理傾向」となります。

この心理が働くことにより、勉強や挑戦といった「自分にとって有益となる行動」ですらも拒否してしまうのです。

対策として、どのようなものが考えられるでしょうか。

まずは、「人間なら誰しも、変化を拒む心をもっている」ということを理解しておきましょう。

「現状維持バイアス」の存在を知っているだけで、自分が動けなくなっているときに、「あー、現状維持バイアスが働いているなぁ」と自分を客観視することができるようになります。

次に、この心理状態を打破するために、「作業興奮」というものをうまく活用しましょう。

「作業興奮」は、「行動するとやる気が湧き出る」という心理現象を指します。

ざっくりとしたメカニズムは以下です。

「行動する→脳が刺激されてドーパミンが放出される→やる気が出る」

「現状維持バイアス」を理解し、「作業興奮」をうまく利用することにより、「面倒くさい」という感情に対処できる可能性が高まります。

そして、行動する際は、いきなり大きく動こうとしないことが重要です。

「行動すること」が「現状(習慣)」になるまでは無理をせず、徐々に行動量を増やしていきましょう。

また、やろうとしていることが「本当にやりたいこと」なのかを自問してみるのもよいでしょう。

なぜなら、いくら「作業興奮」などを利用してやる気の向上を図ったところで、対象への「関心」や「情熱」が少なければ、遅かれ早かれ行動できなくなるからです。

体調が悪い

体もしくは心の状態が優れず、動くことができない状態です。

いうまでもなく、この状態の人は、健康な心身を取り戻すことを優先させるべきです。

まずは、療養しながら無理なく行えること(読書など)から始め、体調に合わせて行動の内容をステップアップしていきましょう。

やる前から諦めている

行動する前から「自分には無理」と判断している状態です。

このような判断に至る経緯には、以下のような思考があると考えられます。

これらは、一見すると「ネガティブでよくない思考」に思えるかもしれません。

しかし、見方を変えると、自分のメンタルや生活を守ろうとする「防衛本能的な思考」だともいえます。

いうまでもなく、自分のことをいちばんよくわかっているのは自分自身です。

そう考えると、「諦める」と判断したのにも相応の根拠があり、「賢明な判断」といえるのかもしれません。

しかしながら、ここで1つの問題が生じます。

それは、「本当に諦められるのか」ということです。

「本当にやりたいこと」は、そう簡単に諦められるものではないでしょう。

このような思考に至ったとき、私たちはどのようにすればよいのでしょうか。

以下で考えていきたいと思います。

「可能性」をとるか、「後悔」をとるか

前述した「諦め」という思考はとても厄介なものです。

なぜなら、「賢明な判断」にも「後悔のもと」にもなり得るからです。

「可能性を信じてやってみる」か「総合的に判断して諦める」か。

こればかりは、正面から自分の心と向き合って判断するしかないと思いますが、自分だけで判断できないときは、信頼できる人に相談してみるのもよいかもしれません。

参考までに、『死ぬ瞬間の5つの後悔』という本をご紹介します。

この本は、緩和ケアの看護師として長年勤め、多くの患者をみとったブロニー・ウェアさんが書いたもので、「人が死ぬ瞬間に後悔する5つのこと」が記されています。

そのうちの1つに以下のものがあります。

自分に正直な人生を生きればよかった

多くの人が、死ぬ直前になって「自分の気持ちに正直に生きること」の大切さに気づくのだそうです。

あなたは、「常識」や「人の目」を気にして、自分の気持ちにふたをしていませんか?

もしそうだとしたら、死ぬ直前もしくはそれより前に、後悔することになってしまうかもしれません。

とはいえ、さまざまな事情(環境など)により、まだ挑戦できないという方もいるかもしれません。

そのようなときにおすすめなのが、「小さな努力の継続」です。

日頃からコツコツと小さな努力を積み重ねておき、挑戦できる状況になったときに、スムーズに動けるようにしておくのです。

忙しいのなら、スキマ時間に本を読むだけでもよいでしょう。

重要なのは、毎日小さな努力を続けておくことです。

時は巻き戻せない。だから今すぐにベストを尽くす

大人になり、運よく「やりたいこと」に出会えたが、思うように動けない。

そして、行動を先延ばしし続けた結果、年齢だけ重ねて「もう若くないから…」と自分に言い聞かせるようになる。

これでは、あまりにも残念です。

時は巻き戻せない。

ゆえに、今の自分がいちばん若い(もっとも可能性を秘めている)といえます。

これは、「やりたいことは、今すぐに始めるのがベスト」と言いかえることもできます。

過ぎた時間を見て途方に暮れたところで何も始まりません。

「今」に目を向け、時間を味方に付けましょう。

「時間を味方に付ける」とは、「時間の経過とともに成長していく状態」を指します。

そのために必要なのが、「日々の積み重ね」です。

そして、「日々の積み重ね」には「習慣づくり」が必要となるのです。

行動の手順

「今からベストを尽くす」といっても、具体的な行動の手順がわからないという場合も多いでしょう。

そのような場合は、以下のようなステップで進めていくことをおすすめします。

  1. ゴールを明確にする(例:シンガーソングライターとして成功する)
  2. 必要となるスキルをリストアップする(例:音楽理論、歌唱力、DTMの知識)
  3. それぞれのスキルを修得する期限を設ける(例:今年中に音楽理論の基礎を完璧にする)
  4. ざっくりとした1日の計画を立てる(例:起床後に音楽理論の勉強、仕事帰りにカラオケ店でボイトレ、帰宅後にDTM)
  5. 実際に行動してみて、スケジュールに無理があるところなどを適宜修正する(「行動→修正」を繰り返す)
  6. 行動の内容を徐々にステップアップしていく(例:作曲の勉強→曲の制作→できた曲をネット上に公開)

必ずしも、この手順通りに進める必要はありませんが、「目標の明確化」や「期限の設定」「『行動→計画の修正』の繰り返し」はぜひとも行っていただきたいと思います。

これらを行うことで、メリハリのある「正しい努力(ゴールにつながる行動)」ができるようになり、行動が惰性的になることを防げるでしょう。


トレーニング中に休憩をしている女性
今からベストを尽くす。

口で言うのはたやすいですが、継続するのはとても大変なことです。

モチベーションが上がり、「よし、やってやるぞ!」と思って行動を始めたものの、数日後、数カ月後にはやらなくなっている、という経験は誰にでもあると思います。

なぜこのようなことになってしまうのでしょうか。

おそらく、「その努力が報われるかわからない」ということが、モチベーションを低下させる大きな原因になっていると思われます。

目標が大きければ大きいほど、達成までにかかる時間が長くなる傾向があることは間違いないでしょう。

その長い間、いかにモチベーションを維持して行動し続けられるかが勝負の鍵を握るのだと思います。

努力の結果なんて誰にもわからない。

それだったら、結果を焦ったり、現状を悲観したりせず、自分を信じてベストを尽くしてみるのがよいのではないでしょう。

とりあえず難しいことは後回しにして、まずは楽しむことから始める。

そして月日がたって、努力を努力と感じないくらいに、そのことに没頭できるようになっていればしめたものです。

努力が報われた人は、全員が「継続した人」です。

ぜひあなたも、「やるぞ!」と決めたらできるだけ早く動き、気長に、楽しみながらベストを尽くしてみてください。