健康と美容の強い味方「高カカオチョコレート」の選び方と効果的な摂取方法【カカオの効果・副作用】

ソファに座って笑顔でチョコレートを食べる女性
本記事では、チョコレートの主成分である「カカオ」の効果や副作用にくわえ、高カカオチョコレートの選び方、効果的な摂取方法などをお伝えします。

健康と美容に役立つ「高カカオチョコレート」

チョコレートに対する一般的なイメージには、「太る」「虫歯になる」「肌が荒れる」といったネガティブなものが多いように感じます。

しかし、これらの症状はチョコに含まれる「糖質(砂糖)」によるものです。

関連記事:取扱注意の栄養素「糖質(炭水化物)」の適切な摂取方法【糖質の作用・種類・弊害&糖質制限の注意点】
チョコの主成分であるカカオ自体には、上記のような悪い作用はなく、むしろ肥満や虫歯、肌荒れなどを予防する効果があるとされています。

くわえて、カカオには「病気の予防」や「抗酸化作用」といった、さまざまな効果が期待されています。

近年、カカオの健康と美容への効果が注目されるようになり、カカオをたくさん含む「高カカオチョコレート」が販売されるようになりました。

糖質の少ない高カカオチョコレートを「適切なタイミング」で「適切な量」摂取することで、健康と美容への効果を最大限に得ることができます。

以下で詳しくみていきましょう。

カカオとは

チョコレートやココアの主な原料となる「カカオ豆」とは、カカオの木にぶら下がる「カカオポッド」というラグビーボール状の果実の中にある「種子」を指します。

カカオ豆には長い歴史があり、少なくとも3000年前から熱帯地方で栽培されています。

生産量がもっとも多い地域としては、コートジボワールやガーナといった西アフリカが挙げられ、そのほかにも東南アジア(インドネシアなど)や中南米(エクアドルなど)でも盛んに生産されています。

マヤ文明やアステカ文明では、カカオ豆は「通貨」としても使用されるほどの貴重な食物であったため、口にできるのは王族や貴族といった「特別な人」だけでした。

ちなみに、昔は飲み物(チョコレートドリンク)としてのみ摂取されていました。

長きにわたって贅沢品だったチョコレートは、産業革命を機に大量生産されるようになり、庶民でも楽しめる嗜好品となりました。

カカオに含まれる機能性成分

カカオには、以下の成分が含まれています。

カカオポリフェノール

カカオポリフェノールとは、その名のとおりポリフェノール(植物に含まれる苦味や色素の成分)の一種であり、優れた抗酸化作用を持ちます。

具体的な作用としては、コレステロール値の改善や血圧低下、血管機能の改善、心疾患リスクの低減、インスリンの効き具合の改善、BDNF(脳機能を支えるたんぱく質)の増加、炎症・ストレスの抑制、疲労回復などが挙げられます。

カカオプロテイン

カカオプロテインとは、難消化性のたんぱく質であり、腸内環境を改善するはたらき(腸内フローラの改善作用)があります。

具体的な効果としては、排便回数(排便量)の増加や便色の改善などが挙げられます。

カカオ豆には、上記の成分のほか、食物繊維や脂質、鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが多く含まれています。

食物繊維は腸内環境を改善し、豊富なミネラルは体の機能の維持に役立ちます。

カカオの効果

カカオ(カカオポリフェノール+カカオプロテイン+その他の成分)の効果をまとめると次のようになります。

抗酸化力の強いカカオポリフェノールが全身(血管や臓器など)の機能の維持・向上に役立つほか、カカオプロテインや食物繊維は腸内環境を整え、ミネラルは骨や歯の材料となったり、神経や細胞のはたらきをサポートしたりします。

とはいえ、チョコレートの選択や摂取量を誤れば、種々の病気や不調の原因となってしまいます。

そこで必要となるのが、「カカオの副作用」を理解し、適切なチョコを適量食べる、ということです。

カカオの副作用

カカオを摂取することによって、まれに次のような弊害が生じることがあります。

カカオに含まれる「チラミン(化学物質)」や「ニッケル(金属)」は、アレルギーの原因となります。

そのため、体質によっては、カカオを摂取することによって、アレルギー症状を引き起こす場合があります(チョコを摂取した後にアナフィラキシーショックを起こし、死亡した例もあります)。

チョコを摂取後、アレルギー症状が現れた場合は、速やかに医師に相談しましょう。

くわえて、カカオには片頭痛の原因となる物質(チラミンなど)が含まれているため、とりすぎると頭痛を招くおそれがあります。

関連記事:3大慢性頭痛の治し方【片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の原因・特徴・予防&対処法】

カカオに含まれるテオブロミンやカフェインには、利尿作用や興奮作用があるため、とりすぎると頻尿や不眠を招くことがあります。

ほかにも、上述したようなさまざまな不調を招く可能性があります。

あまり神経質になる必要はありませんが、高カカオチョコレートを摂取する際は、自身の体調に気を配るよう心がけましょう。

「体に良いチョコレート」の条件

世の中には数多くのチョコレートが存在しますが、その大半が「体に悪いチョコレート」です。

その理由はいたって単純で、ヒトは「体に悪いチョコ」のほうがおいしく感じやすい(=よく売れる)からです。

近年の健康志向の高まりから、徐々に「健康効果をうたったチョコ」も増えてきましたが、選択肢は少ないのが現状です。

「体に良いチョコレート」の特徴は以下のとおりです。

日常的に食べるチョコは、カカオを70%以上含み、糖質を極力使用していないものがベストです。

先にも少し触れましたが、チョコレートには微量の金属成分(カドミウムやニッケルなど)が含まれています。

くわえて、商品によっては「アフラトキシン(発がん性のあるカビ毒)」や「残留農薬」が含まれている場合もあります。

これらの含有量は、商品(メーカー)によって大きな差があるとされています。

そのため、品質管理を徹底している食品会社のものを選び、上記の物質による健康被害を防ぐことも重要となります。

会社の品質管理の状態を把握するのは困難ですが、会社によっては、ウェブサイトなどで「品質に関するページ」を公開している場合もあるので、チェックしてみるとよいでしょう(例:明治|品質への取り組み)。

以上の条件を満たすおすすめの商品としては、株式会社明治の「チョコレート効果」が挙げられます。

この商品は、カカオ含有率の違いにより、以下の3タイプに分けられています。

  1. チョコレート効果カカオ72%
  2. チョコレート効果カカオ86%
  3. チョコレート効果カカオ95%

カカオ含有率が高いものほど、使用される糖質量が少なくなっているのが特徴です(その分苦味は強くなります)。

そのため、健康や美容を目的に摂取するのであれば、95%を選ぶのがベストだといえます。

「95%は苦すぎる!」という方は、チョコレート単体で食べるのではなく、少量の果物(小分けにしたバナナなど)と一緒に食べれば、苦みを緩和できるのでおすすめです。

高カカオチョコレートの効果的な摂取方法

以下では、内臓脂肪研究の第一人者である栗原毅医師が提唱されている高カカオチョコレートの食べ方を基に、適切な摂取方法を考えていきます。

高カカオチョコレートを摂取する際のポイントは次のとおりです。

高カカオチョコレートの効果を最大化させるためには、1日に25g程度を摂取することが推奨されています。

1枚5gのチョコの場合は、5枚程度を摂取するとよいでしょう。

ポイントは、2〜3時間おきに1枚ずつ食べる、ということです。

なぜなら、カカオポリフェノールは長時間体にとどめておけず、一度にたくさんとってもすぐに排出されてしまうからです。

複数回に分けて食べることで、体内のカカオポリフェノールの濃度を高く保つことができます。

食べるタイミングとしては、食前食間(食後2〜3時間後)がおすすめです。

ヒトは食事をすると血糖値が上昇(時に乱高下)し、その結果として体脂肪が蓄積されていきます。

カカオポリフェノールには、血糖値の上昇やインスリンの分泌を抑制する作用があります。

そのため、食前に高カカオチョコレートをとることで、食後の血糖値が安定しやすくなり、体脂肪の蓄積を抑えられる可能性があります。

以上のことを踏まえ、おすすめする「チョコの摂取タイミング」は次のとおりです(1日3食の人が5枚食べる場合の例です)。

1日2食の人の場合は、2回の食前と3回の間食時(2〜3時間おき)にとるようにしましょう。

ただし、カカオには前述したような副作用があるため、高カカオチョコレートを初めて食べる際には、まずは1日1枚を摂取することから始めるのが安全です。

1日1枚の摂取で副作用が生じないようであれば、少しずつ摂取量を増やしていき、5枚以内で「自分にとっての適量(弊害が生じない量)」を見つけてみてください。


カカオ豆とチョコレート
お伝えしてきたとおり、何かと誤解されがちなチョコレート(カカオ)には、実に多くの優れた作用があります。

食べてすぐに効果を実感できることは少ないかもしれませんが、長いスパンでみれば、体に良い影響をもたらす可能性が高いといえます。

適量(1日25g以内)を守りつつ、ぜひ高カカオチョコレートを食生活に加えてみてください。
参考