老化の原因となる「糖化」と「酸化」【AGEsと活性酸素が増える原因と対処法】

若い女性と老いた女性の肌の比較
本記事では、老化の原因となる「糖化」と「酸化」の基礎知識や予防法をお伝えします。

体を老けさせる糖化と酸化

私たちの体を老化させる主な原因として、「糖化」と「酸化」があります。

体の糖化と酸化が進むにつれて、以下のような弊害が生じます。

体の糖化と酸化の程度を左右する要因には、以下のようなものがあります。

  1. 生活習慣
  2. 生活環境
  3. 心身の健康状態

これらの要因を正していくことにより、老化の予防にくわえ、既に生じている老化現象の改善が期待できます。

以下で、糖化と酸化について詳しくみていきましょう。

糖化の基礎知識

糖化(メイラード反応)は「体の焦げ」と表現され、進行するとさまざまな病気や容姿の衰えを招きます。

体が焦げる(糖化する)主な原因は、AGEs(エージス)(AGE、糖化最終生成物)の蓄積です。

AGEsは、食事でとりすぎた糖質が体内のたんぱく質と結びつき、体温で熱せられることで生成される「老化促進物質」です。

この物質にはさまざまな種類があり、アルデヒド由来のものもあります。

体内でアルコールが分解されることで生じる「アセトアルデヒド」もAGEsを生成することから、「糖質のとりすぎ」にくわえて、「飲酒」も糖化を促進するといえます。

AGEsは、体内の細胞を劣化させ、がんや糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病、心疾患、呼吸器疾患、脳卒中、骨粗しょう症、白内障などの病気を引き起こします。

また、シミやシワ、たるみ、くすみ(黄ばみ)、白髪、脱毛などを引き起こすため、美容の面においても看過できない存在といえるでしょう。

AGEsによる体への悪影響を「糖化ストレス」といいます。

この「糖化ストレス」を減らすことが、アンチエイジングの基本となります。

糖化の防ぎ方

糖化を防ぐためには、前述した「AGEs」の発生を抑える必要があります。

そのためには、「AGEsが増える原因」を知り、それらを正したうえで、「AGEsを減らす行動」を継続的に実践する必要があります。

AGEsが増える原因

前述したとおり、AGEsは、摂取した糖質が体内のたんぱく質と結合することで発生します。

そのため、糖質を過剰に摂取したり、糖質があまり使われない生活を送っていたりすると、脂肪のみならずAGEsの量も増えていきます。

AGEsが増える具体的な要因としては、以下のようなものがあります。

これらは、「血糖値の上昇」や「体内アルデヒドの増加」、「AGEsの生成」を促進します。

AGEsは、空腹時の血糖値が高かったり、食後に血糖値が急激に上がったり(血糖値スパイク)することで急激に増加します。
血糖値スパイクは、体内において、さまざまな種類のアルデヒドが急激に増える現象(アルデヒドスパーク)を誘発し、それによって発生した種々のアルデヒドがたんぱく質を変性させてAGEsが産出されます。

AGEsを減らす方法

AGEsの増加を抑える方法には、以下のようなものがあります。

これらは、慢性的な高血糖や血糖値スパイク、および体内アルデヒドの蓄積を防ぎます。

「血糖値の上昇」と「アルデヒドの増加」を抑えるとともに、「AGEsの生成を促す行動(喫煙や睡眠不足)」をとらない、ということが、糖化を予防するうえで重要となります。

なお、適度な運動の目安は以下のとおりです。

上記は、糖尿病の治療に効果があるとされているものです。

食後の軽い運動は、血糖値スパイクを抑える効果があるため、可能であれば、ウォーキングなどの有酸素運動を食事の後に行うとよいでしょう。

ただし、食後の運動は、消化にはあまりよくないので、決して無理はしないでください。

また、健康に不安のある方は、医師に相談したうえで、無理のない範囲で運動を生活に取り入れてみてください。

酸化の基礎知識

酸化は「体のさび」と表現され、進行すると、糖化と同様にさまざまな病気や容姿の衰えを招きます。

体がさびる(酸化する)主な原因は、増えすぎた活性酸素です。

この物質は、さまざまな要因(後述)によって増加するため、しっかりと対策をとる必要があります。

活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働くため、なくてはならない存在ですが、体内で過剰となった活性酸素は、細胞の脂質や遺伝子を攻撃し、がんや心血管疾患、生活習慣病などの原因となります(活性酸素によって酸化した脂質を「過酸化脂質」といいます)。

強い毒性をもつ「過酸化脂質」は、体内でつくられるほか、酸化した油を含む食品(種々の食用油や肉、魚、ジャンクフードなど)にも多く含まれており、それらを摂取することで体にさまざまな悪影響を及ぼします。

くわえて、肌荒れやシミ、シワ、たるみ、白髪、脱毛などの原因となるため、美容の大敵ともいえます。

体内で活性酸素が過剰に生成され、「抗酸化防御機構」という活性酸素から体を守るシステムのバランスが崩れた状態を「酸化ストレス」といいます。

「酸化ストレス」の状態に陥る前に手を打つことが、アンチエイジングにおいて重要となります。

酸化の防ぎ方

酸化を防ぐためには、前述した「活性酸素」の発生を抑える必要があります。

そのためには、「活性酸素が増える原因」を知り、それらを正したうえで、「活性酸素を減らす行動」を継続的に実践する必要があります。

活性酸素が増える原因

呼吸によって体内に取り込まれた酸素は、アデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを作り出す燃料として使われ、その副産物として活性酸素が発生します。

また、活性酸素は、以下のような要因によっても増加します。

このなかで注目すべきは、「激しい運動」でしょう。

健康意識の高い人ほど、運動を頑張りすぎる傾向にあります。

運動をすることは、健康な体を維持するうえでの基本となりますが、「激しい運動は逆効果になる」ということを留意しておきましょう。

活性酸素を減らす方法

活性酸素の増加を抑える方法には、以下のようなものがあります。

これらを継続的に実践することにより、活性酸素の過剰な発生を抑えられる可能性があります。

ちなみに、抗酸化作用が強い栄養素としては、ビタミンA・C・Eやポリフェノールなどが有名ですが、もっとも強力な抗酸化作用がある栄養素は、「アスタキサンチン」です。

アスタキサンチンの抗酸化力は、ビタミンCの約6000倍ともいわれいます。

アスタキサンチンは、天然色素(カロテノイド)の一種で、サケ、エビ、カニ、イクラなどの魚介類に多く含まれているため、これらの食品を積極的に食べることをおすすめします。

とはいえ、毎日魚介類を食べるのも大変だと思うので、サプリメントをうまく活用するとよいでしょう。

高額なサプリメントもたくさんありますが、経済的な面を考えて、「DHC アスタキサンチン 30日分 (30粒)」のような、安価でなおかつ高評価を得ている商品がおすすめです。


こちらを見る美肌の若い女性
「糖化」を防ぐために、「AGEs」の生成を抑える。

そして、「酸化」を防ぐために、「活性酸素」の発生を抑える。

以上の2点は、アンチエイジングの基本となり、QOL(生活の質)の向上、維持においても重要な要素となります。

糖化と酸化の知識を身に付け、実際に行動するか否かで、数年後の健康状態や容姿に大きな違いが生まれてきます。

未来の自分のためにも、少しずつでも、「糖化と酸化を抑える生活」にチャレンジしてみてください。
参考