本記事では、トランポリンの効果やおすすめの運動方法、トランポリン使用時の注意点、おすすめのトランポリンなどをお伝えします。
屋内運動の強い味方「トランポリン」
「トランポリン」と聞くと、「競技」や「子どもの遊具」といったイメージが思い浮かぶかもしれません。
しかし、アスリートではない一般の大人こそ、日常生活にトランポリン運動を取り入れるべきです。
なぜなら、トランポリンは、経済的かつ手軽に全身運動ができる優れた運動器具だからです。
また、あらゆる強度の運動ができるのも魅力のひとつです。
トランポリンは、使い方によっては「有酸素運動」も「無酸素運動」もできます。
ウォーキングや軽めのランニングは有酸素運動で、短距離走は無酸素運動です。
ウォーキングやランニング、短距離走を屋外で行うことも可能ですが、屋外の路面は硬かったり、凹凸があったりするため、高いケガのリスクが付きまといます。
くわえて、交通事故や防犯の面でも不安が残ります。
また、寒さや暑さ、花粉などへの対策も必要となるため、「屋外運動」は、習慣化しづらいのが実際のところです。
そこで、積極的に活用したいのが「トレーニングマシン」や「運動器具」です。
有酸素運動と無酸素運動ができるトレーニングマシンの代表はトレッドミル(ランニングマシン)ですが、価格が高かったり、重量が重かったり、場所を取ったりと、導入するには高いハードルがあります。
一方のトランポリンは、安価でも十分高品質な商品があるうえ、重量が比較的軽いのが特徴です。
また、商品によっては、使わないときに立てかけておける(省スペースに保管できる)ものもあり、導入のハードルはいくぶん低くなっています。
日常的にトランポリン運動を行うことで、心身は確実に良い方向へと変わっていきます。
以下で詳しくみていきましょう。
トランポリンの効果
トランポリンには、心身の健康や美容に対する効果が期待できます。
主な効果には以下のようなものがあります。
- ダイエット
- 血流改善
- デトックス(疲労回復・むくみ改善)
- 心肺機能の向上
- 血管機能の向上
- 脳機能の向上
- 骨密度の増加
- 筋肉量の増加
- メンタルの安定
- 自律神経の安定
ダイエット
トランポリンの代表的な効果として「ダイエット効果」が挙げられます。
ウォーキングやランニングと同様、トランポリン運動にも体脂肪の燃焼作用があるため、運動を継続的に行えば、痩身効果(体脂肪の減少)が期待できます。
また、後述する「筋肉量の増加」による基礎代謝の向上も体重減少につながります。
血流改善
トランポリンの最も魅力的な効果といっても過言ではないものが、「血流改善」です。
現代人の生活スタイルの大きな問題点として、「座りすぎ」や「運動不足」が挙げられます。脚を動かさないことによって全身の血流が滞り、さまざまな不調や病気を引き起こします。
トランポリン運動には、短時間のうちに下半身を中心とした全身の血流を改善する効果があります。
よって、トランポリンは、運動不足の現代人にうってつけの運動器具だといえます。
デトックス(疲労回復・むくみ改善)
トランポリン運動では、血流のほかに、リンパの流れも改善できます。
血流やリンパの流れの改善は、体内にたまった疲労物質や老廃物、毒素などの除去に役立ちます。
そのため、トランポリン運動は、筋疲労や脳疲労、倦怠感などの改善に効果的だといえます。
くわえて、体内の余分な水分が排泄されやすくなるため、むくみを改善する効果も期待できます。
心肺機能の向上
トランポリン運動は、心臓や肺(呼吸筋)に適度な負荷をかけることができるため、継続的に運動をすれば、心肺機能の向上が見込めます。
血管機能の向上
運動をすると、体内で一酸化窒素(NO)という物質が産生されます。
一酸化窒素には、血管を拡張したり、柔らかくしたりするはたらきがあり、この作用は心血管疾患の予防に役立ちます。
脳機能の向上
運動をすることで、脳内にBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質が作られます。
BDNFは、思考力や記憶力の維持・向上に役立つとされているため、知的作業の合間にトランポリン運動をすることで、生産性の向上が期待できます。
関連記事:脳とメンタルを整える「運動」【運動によって増えるBDNFやセロトニンがもたらす作用】
骨密度の増加
骨密度(骨の強さ)を維持するためには、適切な栄養素(カルシウムやビタミンD)の摂取などにくわえて、運動などによる「骨への適度な負荷」が必要となります。
というのも、骨には、負荷がかかると強くなり、負荷をかけないでいると弱くなるという性質があるからです。トランポリン運動は、骨に適度な衝撃を加えることができるため、骨を強くするのに適しています。
ただし、骨粗鬆症の方などは、トランポリン運動の衝撃でも骨折をしてしまうリスクがあるため、運動を始める前には、必ず医師に相談するようにしてください。
筋肉量の増加
トランポリン運動は、ある程度の筋肉量の増加が見込めます。
トランポリン運動はバランスを取る必要があるため、自然と体幹(インナーマッスル)を鍛えることができます。
もちろん脚やヒップも鍛えることはできますが、スクワットなどの本格的な筋力トレーニングに比べると、筋肉の増強作用は緩やかだといえます。
筋肉量の増加は、運動機能の向上につながるだけでなく、基礎代謝の向上ももたらし、体脂肪が燃焼されやすくなります。
メンタルの安定
トランポリンに限らず、体を動かすことはメンタルの安定につながります。
なぜなら、運動をすることで、精神を落ち着かせる作用のある脳内物質(セロトニンなど)が分泌されるからです。
また、後述する「自律神経を整える」という作用もメンタルの安定に役立っていると考えられます。
うつ病患者に対する運動療法は、薬物療法と同等の効果がある、とする報告もあるため、メンタルの落ち込みを感じている方は、ぜひ日常生活に運動を取り入れてみてください。
関連記事:脳とメンタルを整える「運動」【運動によって増えるBDNFやセロトニンがもたらす作用】
自律神経の安定
体の血流の悪化は、自律神経の乱れにつながります。
裏を返せば、血流を良くすれば、乱れた自律神経は安定しやすくなるということです。
そのため、トランポリン運動などで血流を改善することは、自律神経の乱れからくる心身の不調の改善に役立つといえます。
関連記事:自律神経の乱れを整える方法:生活習慣の修正・ストレスへの適切な対処
おすすめの運動方法
トランポリンのおすすめの運動方法は、「その場足踏み」と「その場ダッシュ(いわゆる「もも上げ」)」です。
どちらも片脚ずつ交互にももを引き上げる運動です。
「その場足踏み」は、その場で歩くように行い、「その場ダッシュ」は、その名のとおりその場で走るように素早くももを引き上げます。
まずは「その場足踏み」から始め、できるようだったら「その場ダッシュ」を行い運動強度を高めるのがおすすめです。
トランポリン運動の最大の利点は、体への負荷レベルを自分の意思で細かく調整できるところにあります。
その日の体調などをみて、ももを上げる角度や速度を微調整し、ケガを避けるようにしましょう。
トランポリンを使用する際の注意点
トランポリン運動をする際の注意点は以下のとおりです。
- 厚手の靴下またはトランポリンシューズを履く
- 女性はスポーツブラジャーを着用する
- 丈夫で安定した場所にトランポリンを設置する
- トランポリンの周囲には何もない状態にする
- 必要であれば騒音対策を施す
- 運動前は動的ストレッチを行い、運動後は静的ストレッチを行う
- 常にトランポリンの中央付近に着地する
- 長時間行わない
厚手の靴下またはトランポリンシューズを履く
トランポリンを行う際は、「何を履くか」ということが重要となります。
以下の4パターンでトランポリン運動をした際のメリットやデメリットをみていきましょう。
- はだし
- 一般的な靴(スニーカーなど)
- 厚手の靴下
- トランポリンシューズ
はだし
はだしでトランポリン運動を行った場合は、足の裏に衝撃がダイレクトに伝わるため、足底腱膜炎※(足の裏の炎症)などを引き起こす可能性が上がります。
また、トランポリンの各パーツに足の指や爪を引っかけて負傷するリスクもあります。
くわえて、トランポリンに汗が付着して滑りやすくなったり、衛生面での問題が発生しやすくなったりもします。
一般的な靴(スニーカーなど)
一方、一般的な靴でトランポリン運動を行った場合は、足の裏や足の指、爪などを保護することは可能です。
ただし、一般的な靴は肉厚な素材で重量があるため、バランスを崩した際に、足首に力が集中して捻挫をしやすくなるというデメリットがあります。
また、硬いソールでトランポリンを傷つけてしまうおそれもあります。
厚手の靴下
厚手の靴下でトランポリンを行った場合は、足の指や爪を保護することが可能で、なおかつ捻挫をしやすくなるといったこともありません。
ただし、衝撃吸収作用はほとんど期待できないため、足底腱膜炎などの発生頻度に関しては、はだしで運動した場合と大差ないように思います。
トランポリンシューズ
トランポリンシューズの素材は薄くて柔らかいため、一般的な靴よりも捻挫のリスクは低いといえます。
また、ソールの厚みは、一般的な靴よりは薄いものの、必要最低限の厚みはあるため、足底腱膜炎などの発生をある程度は抑えられるでしょう。
以上のことから、トランポリンを行う際は、トランポリンシューズを履くのがベストだといえます。
とはいえ、いきなり専用シューズを買うのに抵抗がある場合も多いかと思います。
そのような時は、しばらくは厚手の靴下で運動をしてみて、問題があるようなら専用シューズの購入を検討してみる、という流れでもよいかと思います。
女性はスポーツブラジャーを着用する
トランポリンの上下運動を繰り返し行うことによって、胸を支えている靭帯(クーパー靭帯)が伸び、その結果として、胸が下垂してしまう場合があります。
そのため、女性の方は、スポーツブラジャーを着用して運動するようにしてください。
丈夫で安定した場所にトランポリンを設置する
ケガ予防の観点から、トランポリンは丈夫で安定した場所に設置しましょう。
トランポリンの周囲には何もない状態にする
運動時のケガやトラブルを避けるため、トランポリンの周囲には物を置かないようにしましょう。
また、小さな子どもやペットがトランポリンに近づけないようにする工夫も必要です。
必要であれば騒音対策を施す
トランポリンを使用すると、大なり小なり音が発生します。
たとえば、バネのギシギシ音や、着地時の衝撃音などが挙げられます。
音の大きさに関しては、環境や商品によって異なるため一概には言えませんが、近所迷惑になるような音が発生することはまれだと思います。
ただし、マンションやアパートで使用する際は、壁や床の構造によっては、隣や階下の部屋に音が伝わってしまうかもしれません。
そのため、トランポリンの下に防音マットを敷いたり、夜間のトランポリンの使用は避けたりする工夫が必要となる場合があります。
運動前は動的ストレッチを行い、運動後は静的ストレッチを行う
ケガを予防するために、運動前には「動的ストレッチ」を行い、運動後には「静的ストレッチ」を行いましょう。
「動的ストレッチ」とは、ラジオ体操のようにリズミカルに体を動かすストレッチのことです。
「静的ストレッチ」とは、学校で習う屈伸や伸脚のように、ゆっくりと筋肉や腱を伸ばすストレッチのことです。
どちらのストレッチ方法も、血流の促進や関節可動域の拡大、柔軟性の向上などの効果が期待できます。
静的ストレッチは、動的ストレッチと比べて筋肉を緩める作用が強いです。
そのため、運動前に静的ストレッチを行うと、筋肉が必要以上に緩んでしまい、パフォーマンスの低下につながるおそれがあるため注意が必要です(運動後には、筋肉のクールダウンのために、静的ストレッチで筋肉をしっかりと伸ばすことが重要となります)。
ちなみに、「足首回し」は、つま先を地面につけてグリグリと強く行ったり、繰り返し行ったりすると足首の靭帯が伸ばされ、足首の安定性を損なう原因となり得るほか、最悪の場合は、捻挫や靭帯断裂につながることもあります。
足首を回すこと自体は、脚の血流改善などにつながるため、空中でゆっくりと軽く回す程度であれば行うメリットも多少はあるといえますが、足首の安定性が必要となる運動の前に関しては、足首回しは避けるのが賢明です。
常にトランポリンの中央付近に着地する
トランポリンの端にはカバーやバネがあり、そこに着地してしまうとバランスを崩したり、足を挟んだりしてケガにつながるおそれがあります。
そのため、運動時はできるだけ中央付近に着地するように意識しましょう。
長時間行わない
ランニングなどと比べると、トランポリン運動は関節への負担を感じにくい運動です。
ただし、体感的に衝撃を感じにくいだけであり、関節や筋肉には疲労などが確実に蓄積されていきます。
よって、ケガを予防するためにも、長時間のトランポリン運動は避けるべきです。
一般の方のトランポリンの適切な使用時間は、年齢や筋肉量、運動習慣の有無などによって異なりますが、最初のうちは5分以内にとどめ、慣れてきても最長で15分程度にすることをおすすめします(運動習慣のある方は、その限りではありません)。
また、ケガ予防の観点から、1日に2回以上のトランポリン運動はおすすめしません。
「1日1回のトランポリン運動では物足りない!」という方は、軽めの筋力トレーニングやウォーキングなどを追加で行うとよいでしょう。
おすすめのトランポリン3選
多くの人にとってベストな選択となり得る良質なトランポリンは、おすすめ順に以下の3つです。
BARWING(102cm)
BARWING(102cm)は、コストパフォーマンスを重視しながらも、しっかりとトランポリン運動をしたい方や、トランポリンを省スペースに保管したい方などにおすすめです。
筆者も愛用していますが、低価格かつ高品質な商品で、とても満足度の高い商品だと思います。
個人的には、壁に立てかけられる点が気に入っています。
本商品の主な特徴な以下のとおりです。
- 価格と品質のバランスに優れている
- 比較的コンパクトで軽量
- 8本脚と高耐久ゴムで衝撃を吸収(耐荷重に優れる)
- 静音設計のスプリング式バネを採用
- ジャンプクロスやカバーに高耐久素材を使用
- 保管時は立てかけておける(省スペースに保管可能)
- 4つ折りにして保管することも可能
- 「ハンドル付き」を選択すれば、より安全に運動できる(ハンドルは、105cm、115cm、125cmの3段階で高さ調節が可能)
- ISO9001認定工場で生産(ISO9001とは、品質マネジメントシステムに関する国際規格です)
直径(幅) | 102cm |
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高さ(厚み) | 21.5cm |
耐荷重 | 150kg |
カラー | ミルキーベージュ、ミストグレー |
BARWING(102cm)のマイナスポイントは、使用した際にバネのギシギシ音がする点です。
それほど大きな音ではありませんが、マンションやアパートに住んでいる方は少し気を使うかもしれません(日中の使用であれば、特に問題にはならないでしょう)。
8本脚や高耐久ゴムが奏功してか、着地時に床に伝わる衝撃は、かなり抑えられているように感じます。
HONEI
HONEIは、高品質なトランポリンでより多くの運動を楽しみたい方や、広いスペースでのびのびと運動をしたい方、握りやすいハンドルを持ちながら安全に運動がしたい方などにおすすめです。
本商品の主な特徴な以下のとおりです。
- 安定性重視の構造
- 運動スペースが広いため、着地位置をあまりシビアに意識する必要がない
- 金属バネではなく、高強度・高弾力のゴムバンドを採用しているため、バネがさびる心配がないうえ、静音性や伸縮性に優れる(弾力調整が可能)
- 握りやすいハンドル付き(ハンドルは、108cmから128cmの間で高さ調節が可能)
- 六角形のスタイリッシュなデザイン
直径(幅) | 平行対辺:122cm 対角:136cm |
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高さ(厚み) | 32.5cm |
耐荷重 | 150kg |
カラー | グリーン、ピンク |
HONEIのマイナスポイントとしては、価格が高い、設置に広いスペースを要する、という2点が挙げられます。
とはいえ、安定性や静音性、伸縮性などに優れた良い商品であることに間違いはないので、上記2点のマイナスポイントを許容できるのであれば、購入を検討する価値はあると思います。
Homwarm
Homwarmは、一般的なトランポリンではなく、「トランポリンクッション」です。
トランポリンクッションとは、上に乗って簡易的なジャンプ運動ができるクッションのことです。
手軽に簡単なトランポリン運動を楽しみたい方、運動時の音を極力出したくない方、トランポリンをインテリアとしても活用したい方、部屋に一般的なトランポリンを置くことに抵抗のある方などにおすすめです。
本商品の主な特徴な以下のとおりです。
- 使用時・保管時ともに場所を取らない
- バネを使用していないため、使用時にギシギシ音が発生する心配がない
- 高反発素材が衝撃を吸収するため静音性に優れる
- 組み立てが不要
- 持ち手つきで持ち運びが楽
- 外カバーを取り外して洗えるため衛生的
- 反発素材と外カバーの間にインナーカバーがあることで、摩擦による外カバーへのダメージを軽減している
- インテリア(クッションやスツール)としても使える
長さ | 50cm |
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幅 | 50cm |
高さ(厚み) | 20cm |
耐荷重 | 200kg |
カラー | グレー、ブラウン、ブルー、ベージュ |
Homwarmのマイナスポイントとしては、本格的なトランポリン運動には適さない、商品のサイズが小さいため、着地位置にはより気を付ける必要がある、トランポリン特有の浮遊感が少ない、などの点が挙げられます。
トランポリンに高い性能は求めず、手軽さや静音性、商品の小ささなどを重視する方にはピッタリの商品だと思います。
トランポリン運動に限らず、トレーニングをするうえで最も重要なことが「ケガをしない」ということです。 ケガをすれば長期に動けなくなり、QOL(生活の質)が大きく低下します。 また、運動ができなくなることは、健康面にとってもマイナスでしかありません。 トランポリン運動で起きがちなケガとしては、捻挫や膝痛、足底腱膜炎などが挙げられます。 これらを予防するためにも、くれぐれも頑張りすぎず、楽しいトランポリンライフを送ってください!